ねえもしもさあ、今僕らの目の前に、緑色した人たちが現れて、僕らと同じ人間として生きていたら一体僕らはどうするだろう。動物園のように彼らをまじまじと見て面白がるだろうか。僕らと違うことを恐れるだろうか。知らないからと言って虐げるだろうか。無知が生む恐怖を消すかのように、彼らを業火で灼き尽すだろうか。彼らの手を取り、肩を組み合って、共に歌えるのかい?彼らの手足を縛って無かったことにしないかい?だけどこれはもしもの話さ。そんなことは起こらないから安心しようよ。そうさ、きっとこの先はこんなことは起こらないんだ。だけど、少し振り返ってみたら、僕らはきっと不安になるだろう。
じゃあもしもさあ、僕らの目の前に普通の色の人たちが現れて、僕らと同じように生きていたら僕らは彼らをどう見るのかな。形の同じ生き物だからやっぱり彼らは仲間なんだろうな。手も取れるし肩も組んで共に歌うだろう。彼らの本当の姿がたとえ宇宙人であろうと僕らは見た目の良し悪しで決めるんだろうな。僕らの世界に扮して、僕らを喰らう存在だったとしても、僕らは見た目で決めつけてしまうんだろうな。だけどこれはもしもの話だから。僕らの前に新しい人が現れることはないから安心しようよ。
じゃあ最後にさ、僕らの前に虹色の人たちが現れたら、僕らは彼らと過ごせるかい?何もなかったかのように今ある隔たりのない世界を保てるかい?手を取り肩を組んで共に歌えるかい?幾重もの信念と無念、犠牲たちの上でやっと築けたこの時代に、また新たな人が現れたんだ。きっとどこかの誰かは蔑みの目を向けるだろう。君はその目の先へ身を投じ、彼らを守ってあげられるかい?たとえその目が数えきれぬほどの波になっていようとも、僕はその先で1人で立てるかい?たとえ彼らが宇宙人や人間だろうと、怯え悲しむ人を僕らは守るべきなんだろう。きっと僕1人じゃだめなんだ。誰かと一緒じゃなきゃ。そうやってやっとできた今の時代だ。隔たりの薄れたこの時代に生まれてくる子どもたち。彼らにはきっと隔たりなんてないんだ。
