死産をして丁度今日で一年。
あっという間の一年だった。
嘘じゃなくて本当に昨日の事の様に
時間はあっという間に過ぎるものだな。
この一年わたしは好きな事だけしようと
決めていた。
自分のしたいことだけして過ごそうと思った。
お酒飲んで二日酔いして、10cm以上のヒールを履いて、ビキニ着て海で泳いで潜って、女友達と暴飲暴食の旅行して、ホットヨガに行きまくって
毎日寝る前に小さな骨壷にお休みをして寝る。
そんな一年だった。
この子は手元に置いておこう。
自然とそうなっていた。
わたしも旦那さんも自然と。
今日はお昼に美容院へ行って、ブラブラお買い物をしながらお花屋さんへ向かった。
夕方だからか、何となくいいお花がなくて
四軒も花屋をハシゴした。
黄色や濃いピンクと緑を使った
小ぶりのブーケを頼んだ。
待っている間携帯を見たら旦那さんから
LINEと着信があった。
一枚の写真と一言。
『お花選ぶの難しい』
旦那さんが花束の写真を送ってきた。
思わず笑ってしまった。
朝旦那さんが忘れているかもしれないと思って
骨壷の置いてある飾り棚に手作りの人形達を
並べておいた。
電話してわたしも今お花頼んでる最中って
言ったら、ええーって言ってたけど、
お花が多いのはいいじゃないって言ったら
旦那さんも、そうだね、って言った。
忘れてるかと思ったって言ったら、
忘れるわけないでしょ、
そう言われると思って言われる前に伝えなきゃと思って写真を送ったよって。
特別な事はしない。
二人で選んできたお花を飾って
二人でビールを飲んでパスタを食べた。
今日は君の誕生日でもない。
産まれて死んじゃった日。
いや、死んじゃって産んだ日か。
おめでとうも言ってあげられない。
ビールを乾杯する時、何も言えなかったね。
君を想うとすぐに涙が出るよ。
わけもなく涙が出るよ。
一年じゃ全然ダメだ。
一年前の今日、わたしは地獄を見た。
これ以上の地獄は無いだろうと思った。
でもあるとすれば、また死産する事だと思った。
だから、赤ちゃんは欲しいと思いながらも
妊娠するのが怖くて怖くて考えられなかった。
次同じことがあれば私は生きていけない。
そう、旦那さんに伝えた。
旦那さんは、うん、とだけ言った。
二人の赤ちゃんが欲しい事も
わたしの年齢がもう出産ギリギリなのも
全部わかっている。
わかっているけど、
どうしても踏み出せない。
この気持ちは死産した人にしかわからない。
こんな辛い思い。
もう一年?
まだ一年?
無事に産まれていたら君は今7ヶ月の赤ちゃん
会いたかった
今日はこのまま寝よう。
おやすみなさい。