さーこです。
一年、重ねてきたものがあります。
それはまるで地層のようで、今さーこはそのうえに立っています。
重なっているのは、
改めて振り返ったり、目を懲らさないと知らずに流されてしまうこと。
ひとつも見落とさずいられたか、そんなわけないけれど。
それでもいつもより丁寧に、ひとつひとつ。
空がいつも違う色なこと。
海がいつも違う波のカタチを運ぶこと。
風が凪いで木を育てること。
人が暖かいこと。
疲れた顔のお母さんがさーこのライブを楽しみにしてくれたこと。
お父さんがさーこの写真をいつも持ってること。
さーこを笑わせてくれる友達がいたこと。
一緒に音楽をしてくれる仲間がいたこと。
忙しくても気を配ってくれる職場の先輩たちがいたこと。
19歳と11ヶ月のあの子が知るはずだった世界。
ずっと果たされない約束があったこと。
二十歳になったら一緒に呑もうねって、
その前に仙台で遊ぼうねって、
来週の火曜にねって、
愚痴があるなら聞くよって。
それから、石巻の夏の葬儀場がとても暑かったこと。
右の耳元で聞いた、言葉があったこと。
七ヶ浜に、ばあちゃんの家が確かにそこにあったこと。
玄関の敷居を跨いで、ただいまーって言ったこと。
行ってきますって、失くなっちゃった家を出たこと。
塩釜で、割れたガラスを拾う小さな子供たちが笑う瞬間を見れたこと。
大丈夫だった?
何度も、何度も、何度も聞かれた質問の影に、深い同情があったこと。
大丈夫。
何度も、何度も、何度も答える言葉の影に、自らを叱咤激励する強さがあったこと。
新聞の、小さな文字を必死に追いかける人の手が震えていたこと。
蝋燭の明かりに集った夜、なぜだか安心したこと。
これ以上どう頑張ればいいの?
がんばろう
その合言葉に、結局は助けられたんだと気づけた瞬間があったこと。
泣いたね、散々。
やっぱりありがとうなんだよね。
これからも、ひとつひとつに感謝をして重ねるから、固い礎になって。
揺れない、固い、礎。
もう何がいいたいのか自分でわからなくなっちゃったけど、
一年振り返ったら、あんまりにも厚い地層だったことに気づいて書いてみました。
いろいろ思うところはあると思いますが、
掘り返すのは今のさーこの仕事じゃないから。
いつか、忘れてしまう日がきたとき、その時のために今はまだまだ重ねて生きたいです。



