今年もエバーグリーンのリースを作り、森の香りに癒されながら今年を振り返ります。新しい命とその家族の成長、また縁を結んだ家族のお祝いにそれぞれの親戚縁者が集まり新しい繋がりへと変化の時でした。小さい子どもを見ていると日々の成長が驚くほどに目まぐるしく眩しいくらいのエネルギーを感じます。一方日々老いていく高齢の身内の姿を目の前に過ごす時間は切ないけれど、そこには様々な学びもあると気づきました。
そんな時に読んだ小説「母性」母親と娘のそれぞれの視点で語られる興味深い内容。事実は一つ、でも視点によって語られる内容は様々な面を見せる。大河ドラマなどの歴史物語が面白いのは視点の違いの部分への想像力の豊かさによる気がします。人には他人には明かさない事実も多く、それぞれの思惑や感情があり、正に人の数だけ真実は存在するのですから単純な決めつけなどは出来ず、絡み合う人の数だけ複雑さを増すものでしょう。老いはそういうものも明らかに見せてくれる様にも感じました。
感情を含んだ思考は無意識のうちに事実を曲げてしまい、そこから出る言葉は同じ感情を持つ人以外には響かないことが目立つ様になります。一方で事実を脚色なく伝える人の言葉はシンプルでどこかユーモアもあり、人によって変化することのない知性と冷静さ故に平等に優しい。良いことも悪いことも見聞きして学びとすることが出来て、少しですが階段を上がれたかなと思います。
「母性」は娘のままでいたい母親が描かれています。いつも良い言葉をくれる友人は生き物は皆同じという感覚の持ち主。子どもが生まれたらごく自然に世話をし育てるというのは自然の営みのはずなのに現代は様々な思惑ある情報過多ゆえに思考や感情に振り回され過ぎて生き物としての感覚が鈍くなり不自然になってしまうのでしょうか。悩む時には生き物の視点で見ることが大切なのかもしれません。本物の「平等」もそこに在るような気がしています。
「看看臘月尽」
"月日の流れは早く
もう十二月も終わってしまいます
よくよく一日一日を大切に過ごしなさい”
大切な人が次々と旅立ってからも月日が流れ、自分の年齢も季節なら秋も終わり、冬の始まりでしょうか。一面の秋桜畑に案内してくれた旧友の何気ない心遣い、温かい労りが有り難く…寒くなる季節ですが出来る限り日々心温かく大切に歩みを進めていきたいと思います。





