「愛美(娘)はこのクラスの生徒に殺されました」
女性教師のそんな「告白」からはじまる物語。
事件をきっかけに、それぞれの心の底に渦巻く負の感情はどんどん肥大化し、最終章まで連鎖する。そして、それはその後もどこまでも果てしなく広がっていくかのようだ。
愛する者を奪った者への「裁き」は、
決してあけてはいけないはずの心の闇の箱を開いていく。
ひとり、またひとりと。
人はみな、こんな風に独りよがりの世界で生きているのだろうか。
それぞれの独白は、愛する者への愛に満ちている反面、恐ろしいほど自分だけに都合よく、滑稽なほどに自分勝手な妄想で作り上げられている。登場人物の誰一人として共感できない所ばかりのはずなのに、なぜかところどころ自分にも通じる部分があることに気付いた。怖くなった。
一度読み出すと、第1章からもうどうにも止まりません。
自分の闇の箱までも開けられそうで、もう見たくないようなものばかりなのに先へ読み進めてしまう。
何より作者のものすごく切実な思いが込められているようで、その勢いにひたすら圧倒されました。
ラストはかなりぶっとんでますが、
こんなに苦しくて、でも面白い作品には久々に出会っ たような気がします。