上京が9日と決まっていたので、年末あたりから少しずつ準備を進めていたが、それでも年始になってギリギリまでどたばたしていた。そしてその上京する前日、時間がないことは承知の上で、どうしても行っておく必要のある場所へと向かった。
車は10日で車検が切れる。それでなくとも仕事が終わるまで乗れない。車へのしばしの別れの旅立ちでもあった。車検近付いていたので2年ぶりにレカロシートを純正に戻した。とても違和感がある。レカロに限らず、よい道具は体に吸い付くように馴染む。皮膚の一部分。そんなことを感じつつ、無料の高速を北上した。
向かった先は「日高見国」…あたり。北上川の風景はいつきても快く迎えてくれる。少しずつ津波の残骸は片付けられているようではあった。石巻市雄勝町のかつての街中は、家々の基礎コンクリートだけが残り、その他諸々の残骸は取り除かれていた。
半島の先へと進み、2,3ヶ月ぶりに葉山神社へと到着。
STONE SCULPTURE-雄勝スレート
社殿は少しずつ解体が進んでいた。
STONE SCULPTURE-雄勝石神社
宮司さんの了承を得た上で、津波で被災した神社社殿の屋根のスレート材を拾い集め、譲り受けた。いずれ産廃となるのなら、何らかの形で生かしていただければということで。
STONE SCULPTURE-スレート材
どれだけ積んだのやら。車の動きが緩慢になった。そしてオーブの群れ…ではないな。

宮城県から東京都へのマス目へ移動する前に、どうしてもこのマス目だけは通っておかねばならないという感覚があり、強行した。実際行けてよかったと思う。しばらくは寝かせるしかないのだが、いつかまた日の目を見ることができるように、後日有り難く使わせていただこうと思う。
良いか悪いかという判断は立ち位置でどうにでもなる。今回自分でよかれと思っての行動でもない。そういったものを超越したところで、足が無く動けない石さん達をたまたま自分という存在が移動させたに過ぎない。風のようなもの。だから理由とか根拠とかって言われても、わからない。
今後より活発に動きのある方々の手元へと渡ってゆくことになれば、石も喜ぶのかもしれない。会話はできないが、間接的に何かしらの情報は入ってくる。でもあまり考えないようにして、これまで通り無意識に彼らと接していくつもりでいる。
のんびりゆるやかな生活をしてきた者としては、慌ただしい日々が続く。

スレート板用 ジグソー替刃 

鋸の金切のこ。SK11・弦鋸の替刃スレート用

レカロ ローポジション・スライドシートレールアトレー/ハイゼット S200系