これまた、現実には数年前知り合ったがしかし「古い」友人からのご依頼。
生まれて半年になる息子の守り刀を制作して欲しいということで。
意匠は古代中国で用いられた刀銭のイメージを指定。

制作する前に、遊びがてら打ち合わせに行った際、たまたまサンプルとして持っていった石。石巻市雄勝町、石峰山石神社の里宮・葉山神社の屋根材として使われていたスレート材。津波に被災してしまった社殿の残骸は廃棄処理されるとのことだったので、迷うことなく宮司さんからいただいたもの。

私には石の声は聞こえない。何も感じることもない。五感以上の能力はない。その夫婦はなんとなくわかるらしい。どうやら動きたがっている、らしい。
その時持っていたサンプルの石、まさにその石で制作して欲しいということだった。

$STONE SCULPTURE-刀銭 守り刀
もっと大きく造るはずだったが、割れがあったためどんどん小さくなった。いただいてきたスレートの材料のストックはかなりあるが、この石でなければならない必然性がある。大きさも必然的なのかもしれない。私がこの大きさに決めた、というよりはすでに決まっていたのか。形状もしかり。

表向きの制作者は私。が、ある意味主体は私ではない。
完成したものを手渡した際にも、そんな話が出た。彼ら曰く、「対等なんですよ。」ありとあらゆるものに対して。
主でも従でもなく、対等なやりとりが、人同士であれ動植物であれ、機械などの人工物であっても、放射性物質とさえ常に行われている。
自分はまったく感じないが、そうだろうという核心がある。
「無意識だからこそよいのかも。」と言う彼らの言葉もわかるような気がする。
ちなみに、守り刀なのに、「イケイケガンガン」な性格、らしい。
これから色々な場所へ連れて行きたいそうだ。

みんな本来持ってる感覚だったんだろう。今の時代はあまりに幻影が多すぎる。3.11はそういう意味ではいろいろなものを吹っ飛ばし露わにした。
昨日の満月、皆既月食もなかなかよく、透き通ったような心地よさが今でも余韻として残っている。
そういったものを通過しながら、どんどん、変わってゆくのかな。
ようやく生きやすくなる。

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