いつ頃作ったのかも忘れてしまった石。

STONE SCULPTURE-FEELINK1

この写真からはほとんど魅力を感じることはできないかもしれない。形状もごくシンプル。デザイン的にどうというものではない。

当時はhealing(癒し)とinkstone(硯)、link(つなぐ)をかけてヒーリンクストーンと命名した、ような記憶がある。

盲目の人でも楽しめるのが平面にはない立体の特徴。だが美術館などではことごとく触れられるようにはなっていない。手の感触、触れる楽しみ、微細な感覚ってすごく重要に思う。

そういえばこれを作ったとき、「操体法」の意識も取り入れたような気がする。「操体法」は単なる健康法として見るにはもったいない。哲学的、精神論的、さらに拡大すれば真理へとつながる道として見ることができる。まぁそれはスポーツや武道や華道、書道、さらには職人、家事などあらゆるものに共通することではあるが、山頂へ向かう道としてわかりやすくなじみやすい感じがする。

居心地のよいところを求める。本来体は正直でそれを知っている。けど心は固定観念やら既成概念やらしがらみやら見栄やらなにやらで素直になれない。



STONE SCULPTURE-FEELINK2
触ってみて初めて、心地よさであったり、しっくりくる感覚、あるいは何らかの作用が人それぞれ感じられる。今まで結構みんな触ってみての評判はよかったものの、購買意欲には結びつかなかった。

それが今回、売れた。お金になったことよりもその存在を認めてくれる方に渡ったことが嬉しい。しかるべき人の手元へ。彼ならかわいがってくれるに違いない。


未知のものに対し人は不安がる。新たな概念はなかなか受け入れがたい。それだけが理由ではないがしばらく暖めておこうと思っていたもののひとつだった。が、この時期に動きがあったということは機会が到来したということかもしれない。この石を使ったカードリーディングというアイデアも降りてきた。

さて、「ヒーリンクストーン」でも「操体石」でも名称はともかく、少しずつ作ってみようと思う。

おそらく、企業ならこれと全く同じ形状のものを大量生産で数百円で提供できるはず。

仮にそうなっても似て非なるものと断言できる。

では何が違うか。それはそれぞれの感覚が知っている。