アビランド

伊具三十三観音巡りを再び始めて、順番は逆になったが初日に1番、2番札所に行くことができたのは、何かの始まりを予期しているのだろうか、と言うのは考えすぎで、単に家から近かったというだけ。

昨年回っていたときにいろんな人と出会い、その中で札所の順番の話があった。

実は順番には特に意味合いはない。角田、丸森にまったくもってランダムに分布している。

何故か。

その昔、各札所の代表によるくじ引きによって決められたからである。そんなんでいいんかい。順番通り歩いての巡礼はさぞ大変だったろう。それがくじ引きによってと知ったら…。とはいえ巡礼するような人はそれを大変だとか苦痛とは思いもしないのだろう。そのくじ引きの結果も意味があるのかもしれない。


そして車という文明の利器を駆使して、順番無視して空いてる時間に近場から攻めていこうというなんとも値のなさそうな巡礼が続くのであった。今回は一番札所。

福澤正観音。

丸森の街中から丸森霊山線を不動尊公園へ向かう途中、右手に大銀杏の木がある。実はこちらも当初は札所であった。地蔵様のお告げで銀杏の木の下から観音様がお出ましになられたという伝説がある。が、これは後述したい。その大銀杏を過ぎて少し行ったところを右折する。わかりづらいが案内の看板などがある。
STONE SCULPTURE-福澤1

どういうご縁だか、ここには何度も来ている。昨年の巡礼以前から。その時は三十三観音だとすら知らなかった。

階段を登る途中、いきなり背後で奇声を上げるパートナー。ぎょっとなって振り返ると、蛇がいた。蛇よりもあんたのほうが驚きだよ。

STONE SCULPTURE-福澤4
残念ながら鍵がかかっていて中の様子をうかがい知ることはできない。本尊の正観音と共に、子安観音と草刈観音が祀られている。草刈観音はその昔、ある若者が草刈をしていて誤って観音様の指を切ってしまった。するとそこから鮮血がほどばしったという。以来草刈観音として信仰されるようになったという言い伝えがある。

ここの空間もなかなか気持ちがいい。曲がりくねった古く大きな木がいっぱい。

お参りの最中、

パン!

と乾いた音が。ラップ音とも違う。拍手?ここは神社じゃないぞ。と、立て続け3回。

目を開けて傍らを見ると、ためらいもなく蚊を3機撃墜するパートナーの姿。

仏前だぞ…。
STONE SCULPTURE-福澤2

本堂にはいたるところに彫刻が施されていた。最初ぱっとみた感じではそれほどでもないように思ったが、よくよく見ると部分的にかなり手の込んだ彫り物がしつらえてある。思わず写真を撮ってしまった。十二支の彫り物もある。山形の彫り物師が製作したということ。

STONE SCULPTURE-福澤3

福澤正観音巡礼歌 「まづしきも もらさですくう ちかいとて ふくざわどうに まいるもろびと」


アウトレット 訳ありOUTLET 森の水精