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旅大好きirisのブログ

上海在住6年を経て2015年春に福岡に帰国したバリバリの九州人…毎日の備忘録。趣味は旅と乗馬と犬の散歩。ワインが好きすぎてソムリエの道に(^^)JSAソムリエ、JSAsake diploma 、日本語講師、色彩検定1級、パーソナルカラーアナリスト

ギリシャから戻ってきて3日間だけ日本で過ごし8/23〜1週間

フランス研修でした

時差を感じる暇もなく

またヨーロッパへ

しかも一応遊びではなく研修

今回の研修はひたすらワインの産地へ行って生産者を訪ね見学する、だけ!!

しかも全て自分手配、フライトもホテルもTGVも全て

フランスはある程度地の利もあるし、何度も訪れているとはいえ

毎日各都市に1泊しかしないというハードスケジュール

なんか行く前からテンションダダ下がりでした

ギリシャ楽しかったなーと思い出に浸るまもなく

パリへ


夕方パリに着きました

明日の朝一ブルゴーニュに向かうため、TGVの起点駅リオン駅近くに宿泊しました

超小さくて古いホテルでしたが

リヨン駅が目の前の好立地

行程はざっとこう

1日目 パリ・リヨン駅TGV
2日目 ボーヌ(ブルゴーニュ)1泊
3日目 ブルゴーニュのドメーヌ訪問→夕方リヨンへ
4日目 午前中リヨン観光(日曜日なので) 夕方ボルドーへ(飛行機で1時間)
5日目 ボルドー 右岸のシャトー見学
6日目 ボルドー左岸のシャトー見学 夕方TGVでパリへ パリ泊
7日目 シャンパーニュ メゾン訪問
8日目 メゾン訪問 夕方 TGV CDGへ

書いてるだけで

フランス1周したことに改めて驚く



リヨン駅からボーヌまでは約2時間です



ボーヌに着いてからは
しばらくは町歩き

ブルゴーニュに来たのは3年ぶり⁈かな

ベルナール・ロワゾーの姉妹店

ロワゾー・デ・ヴィーニュでランチ

予約してなかったのですが快く受け入れてもらえました
 

3つ星ベルナール・ロワゾーのような堅苦しさはありませんが、ちゃんとしたサービスです

ソムリエと相談して

ここはグラスで40〜50種類のブルゴーニュワインがいただけます

私はアルマン・ルソーのシャルム・シャンベルタン13を

もちろん固かったけれど

お料理も美味しく

そんなに高くなく

落ち着いてお食事できました


夕方時間があったので

隣駅のムルソーへ行きました

ムルソーの駅は無人駅ですが

降りて10分くらい歩くとブドウ畑が見えてきます

ムルソー三社参り(ルーロ、コント・ラフォン、コシュデュリ)

ただし外観をみるだけ

ブルゴーニュのドメーヌ(生産者)は家族経営の小規模なところが多く

見学を受け入れてくれる時期は秋以降、暇な時期が多いのです


一番家がデカくてゴージャスだったのはコント・ラフォン

ちょうど収穫したぶどうを運んで来ていて忙しそうです

コシュデュリはアッサリした作りの家でルーロが一番重厚感がありました


村名格はまだぶどうがなっていて、プルミエは収穫が終わっていました
ぶどうを少し失敬したけど甘くて美味しかった

実は今年の収穫は白も赤も1〜2週間早いようです

シャンパーニュの収穫も始まっていました

白ブドウは黒ブドウよりも酸度を残したいため収穫が早いのですが

それでも通常は9月上旬であることが普通です

これも地球温暖化の影響なんでしょう



夜はこれまた数年ぶりに

ボーヌのビソーへ行きました

日本食レストランでボーヌでは老舗です

こちらのお店、どうも前回と印象がちがいますが

どうやら場所が近くではありますが移ったみたいで

日本人のご夫婦がされています

コント・ラフォンのムルソー14に合わせたのは

花ズッキーニの天ぷら

花ズッキーニはフランスではよく食べられますが天ぷらで食べたら美味しかったです 
  
天ぷらのオイル感と岩塩がムルソーに合う

 

寡黙なご主人がいきなり

「犬好きですか?」と聞いて来たので

もちろん大好きです!と答えると

裏にいますよ、見ますか?

いやいや、いきなり犬好きですかって

私顔に犬好きって書いてあるのかなー


裏に行くと  

ラブラドールの「ゆず」がいました

大きいけど人懐こくてかわいい〜




翌日は朝から車でブルゴーニュの畑見学&ドメーヌ訪問

朝一クロ・ド・ヴージョを通っていたら

まさかの!収穫しているところが

クロ・ブラン・ド・ヴージョ

赤ワインばかりのクロ・ド・ヴージョのなかで数少ない白ワインであるたいへん珍しい畑です

シャルドネだから収穫が早いんです

しかしこれは数が少ないのでなかなかお目にかかれない代物です

まだ飲んだことない


物欲しそうにみていると

お兄さんが一房ブドウをくれました

食べてみたら甘くて美味しかった

よく、ワイン用のブドウは美味しくない、などという方もいますが、酸味も甘みも十分あって採れたてのブドウは美味しかった

もちろん食用と違い小粒で果皮が厚いですがみずみずしくて十分美味しいです


そのあとはボーヌ・ロマネの家族経営のドメーヌ・ベルナール・リオンへ

実はベルナール氏

トリュフ協会の会長でもあり

黒トリュフ(今の時期なのでサマートリュフ)を1個10€で売っていました

試飲しながらトリュフも試食というなんと贅沢な時間

そのあとは

ジュヴレ・シャンベルタンのドメーヌ・フィリップ・ルクレールへ

それからモレ・サン・ドゥニのワインショップ(クロ・ド・タールの前)に行くと

犬を撫でているお年の方がいて

なんと

その方が引退した

ジャッキー・トルショー氏でした!!

もう興奮してトルショー氏に私が飲んだ彼のワインの写真をみせて

「あなたのワインの大ファンが日本に沢山います。私もあなたのワインが大好きです」と伝えると

彼は

「自分の作ったワインが今はすごく高くなってるみたいだが、普通に作っただけなんだけどな」

と恥ずかしそうに答えました

いや、もうなんか、言葉にならないほど興奮と感動!

奇跡としかいいようがない



トルショー氏はこちらの飼い犬が好きで毎日立ち寄って挨拶していくそうです

たまたまその時間に私が立ち寄っただけなのですが

伝説の作り手にまさか会えるなんて


でも
彼のいった

「普通に作る」って言葉

今のブルゴーニュをまさに物語っていると思います

シンプルに

土地の力を理解して、ブドウを丁寧に育て、なるべく優しく醸造すること

自然が相手だから毎年ばらつきがある

一時期ブルゴーニュは色んなものを加えてみたり、より強くて甘いワインを作る時期もありました

でも今はほとんどそんなことはしません

なぜなら

ピノ・ノワールはとても繊細で化粧が濃すぎるとその美しさがわからなくなるからです

うまく化粧すれば大丈夫ですが

例えば

素材がとてもいい女性がいます

メイクアップアーティスト(醸造家)が上手ければ絶世の美女に仕上げることができます

下手であれば

やたらに派手だったり逆に地味だったり

あと、メイク仕立てはいいけど時間が経ったら崩れるメイクはダメ

時間が経って更に馴染んでいくような元の美しさを引き立てるようなテクニックが必要です

そう例えるとトルショー氏の作るワインは本当に自然で素肌美を生かすようなメイクテクニック

そんな彼のワインは3回ほどしか飲んだことがありませんが(現在では入手困難)

透明感のある美しいワインでした