Ryoが小2の春
『ねぇママ、クラスで習い事してないのは
Ryoと、あと一人か二人しかいないんだよ』
それを聞いた私が
『じゃあ、Ryoは何が習いたいの?』
と聞くと
『…わかんない…』
経済的な事情もあったので
『Ryoが本当にやりたいと思ったものを
一つだけ習わせてあげるね』
と話していました
その年の7月
地元の小さなお祭りイベントで
同級生のFuちゃんに会いました
これからステージで
習い事のバトンの発表をやるから
見て行って欲しいと言われて
観客席で待っていたところ
バトンのステージの前に
地元のダンススタジオの
発表がありました
Ryoと変わらない年齢の
子供たちの
『キラキラ』と輝く表情
『躍動感』あふれるダンス
『衝撃』と『感動』でした
ダンスが終わらないうちに
『これがやりたい!!』
『ママ!!Ryoダンスを習いたい!!』
興奮しきったRyoが私の腕を揺さぶり
何度も何度も、そう言いました
Ryoの初めての決断
『ダンス』との出会いでした
この出会いが、思いもよらない
二年後のRyoの闘病生活を支える
一つの力となり
自分を失わずに
大きく成長することができた
『光』となることを
その時は…
私たちも…誰も…
わからなかったのでした