一概に心臓の病気といっても、その原因により病名、治療法も変わります。
では、どのような病気があるのでしょうか?
<犬猫で一般的に見られる心臓病の例>
◎先天性心疾患(大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症、中隔欠損症、僧帽弁異形成、三尖弁異形成など)
◎心筋症(拡張型、肥大型、拘束型など)
◎僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症など
◎感染性心内膜炎、犬糸状虫症(フィラリア症)など
◎不整脈
◎その他
この中でも、猫に最も多くみられる病気は「肥大型心筋症」です。
原因は「遺伝性」と言われていますが、まだはっきりとした根拠はありません。
人においても、難病(特定疾患)に扱われる発見、診断、治療ともに難しい病気の一つです。
猫での発症年齢は3ヶ月~17歳まで報告があり、平均年齢は5~7歳です。
男の子に多くみられますが、もちろん女の子でも発症する事はあります。

~どんな症状?~
心筋症は初期の段階では症状がみられることはほとんどありません。そのため他の理由で来院された時に偶然見つかったり、進行して重度になってから見つかる事が多いのです。
※進行した際に認められる症状
呼吸困難、開口呼吸、食欲不振、血栓症による後ろ足の麻痺、不整脈、失神、突然死
~診断~
心臓の肥大は、甲状腺機能亢進症、腎性高血圧症など心臓以外の疾患が原因になることもあります。
そのため確定診断は難しく、血液検査、ホルモン検査、血圧測定、レントゲン検査、超音波検査など複数の検査により診断しなければなりません。
~治療~
残念ながら、今のところこの病気を完治させる事は出来ません。また重度に進行してしまうと延命も難しくなります。
出来る限り早期に発見し、進行状態を把握し、今後起こりうる状態に対し少しでも軽減する事が大切です。
アイリス動物病院
中村