犬猫の眼の病気「ドライアイ」 | アイリス動物病院__________犬と猫の病気 & 看護師日記

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大阪府羽曳野市にある『アイリス動物病院』です。
「犬や猫の病気について」と「看護師日記」を掲載していきます。
大切な家族であるわんちゃん、猫ちゃんが健康で長生きしていくためのお役に立てればと考えています。
是非ご覧下さい。

わんちゃん、猫ちゃんの目をじっくりと見た事はありますか?

動物達の目の表面は、人と同じように涙に覆われています。
実はその涙は3層に分かれているのをご存知でしょうか?

一番外側の層:脂質層
真ん中の層 :水分層
内側の層  :ムチン層


アイリス動物病院のブログ-涙の3層

脂質層は水分の蒸発を防ぎます。
ムチン層は、水分を目の表面に均一に保持する働きがあります。
この3層によって涙は角膜の上に維持する事が出来ます。

涙は、細菌、小さなホコリやゴミなどから角膜を守っています。
そのため、涙が少なくなる、いわゆるドライアイになると様々な目のトラブルが起こってしまうのです。

ドライアイには、涙の分泌が減少する「涙液減少型」と、涙の蒸発しすぎる事による「蒸発亢進型」がありますが、犬では涙液減少型が多くみられます。

涙液減少型ドライアイ好発犬種
1位 シーズー
2位 チワワ
3位 M.ダックスフント
4位 ヨークシャテリア
5位 パグ


ドライアイでよくみられる症状は、
・目の周囲に付着している「黄色い目ヤニ」
・結膜の充血
・目の痛みによる羞明(まぶしそうにショボショボする)
などがあげられます。

$アイリス動物病院のブログ-KCS
※intervetより


涙が少ない事で、細菌感染、ホコリやゴミが侵入することが原因です。また長期的に放置しておく事で、慢性的な刺激により、本来透明である角膜が黒い色素(メラニン)に覆われ、目が見えなくなる事もあります。

この病気の原因には、
・免疫介在性
・先天性(生まれつき)
・神経麻痺
・代謝性疾患(甲状腺疾患、副腎疾患、糖尿病など)
・その他
など考えられます。このように原因は様々であり、そのため原因により治療法も変わってきます。

大好きなご家族のお顔が、いつまでもきれいに見られるように、目を大切にしてあげて下さい。


アイリス動物病院
中村俊文