その女の子はある日突然にやってきた。
(その姿は遠目には、はに丸に似ていない事も無い。)
「ねえ、そこのきみ、しつもんだけど。」女の子が言い出す。
「はにゃ?」「どなたですかー?」はに丸、ひんべえが驚いた声で返事する。
「はにわって、なんで造られたのか、知ってる?」
「はにゃ?」「いきなり、しつもんですか?」
「ねえ、そこのはにわの人?きいてる??」
「はにわのひと、てぼく?」「きっと、はにまるさまのことですよー。ぼくはうまですからねえ!」
「へえ、はにまるっていうのあんた?」
「うん、ぼく、はにまる!」「ぼくひんべえ!!」
「ああ、なまえいわないとね。あたしは、チコちゃん。」
「ちこちゃんさん?」「じぶんでちゃんをつけると、こどもみたいですねえ!」
「こどもでしょ、あたし5さいなんだから!そんで、しつもんのこたえは?」
「ええっと、はにわって、つくられらの?」「はに丸さまは、埴輪の国の王子だから、つくられた、ってのはちがいますねえ!?」
「そういうのはいいから!いっぱんの埴輪はつくられて、古墳から堀だされてきたの!」
「古墳?はにゃあ??」「はにまるさま、古墳って言うのはですね、あの、その...」
「古墳ってのは、昔の人のお墓ね!ってなんであんたしらないの、埴輪のくせに!」
「はにゃあ...;」「はに丸さまは、この世界のことはよく知らないから、良い子たちと一緒にまなんでるんですよー!」
「もー、わかったから!あー、そんでね、聞きたいのは、どうしてこんな焼き物の人形みたいのが、古墳からでてくるの?ってこと!」
「はにゃあ。むすかしすぎてぜんぜんわかんない...」
「まったく...ボーっと生きてんじゃねえ!!」
「ひぃっ!きゅうに大声出すなんて、ヒンベエもびっくりしましたよー!」
「ぼーっと、って?はにゃぁ??」
「え?なに、そこ?ボーっと、もわからないとかなの?」
「はにゃあ...ボーっとって、長いの?」
「それは棒でしょ!」
「はに丸さま、いけでこぐやつですよ、きっと...?」
「それはボート!ぼーっと、ってのは、意識がぼやけていたり頭の働きが鈍っていたりするさま。転じて、ぼんやりと、目的も無くむだな人生をすごしてきた、って状態を指す言葉。」
「う~ん、ひんべえにもむすかしいですねえ!」
「ちこちゃん。ぼくたちこどもなんだから、説明とかするよりも、実際の言葉の使われ方の例とかを見せたりとか、感覚的にわかるようにしないと。こどもたちに解りにくくなっちゃうよ!」
「え?な、なにさ、きゅうにまともなこと言い出して...」
「いつもはすみれちゃんやかんだくんにうたでおしえてもらうんだ、こんなふうに...
「ぼーっと、ニンジン食べてて何も考えないとき~♪」
「ぼーっと、朝起きてまだねむい時~♪」
「ぼーっと、おかむらとどーでもいー話で莫迦云ってるとき~♪」
「「「ぼ-とするって、らくちんだな~~♪」」」
「ほらね、ぼ-っとって、なんかわかっちゃった!」「はにまるさま、ごじぶんでわかるなんて、せーちょーしましたね!」
「うーん、まあ解ってくれたらなんでもいーけど。そんでこっちの質問、こたえ云っても良い??」
「えーと、なんだっけ?」「埴輪がどうして造られたか、ですよね!」
「ありがと、馬さん。じゃあ答いうよ!」「ひんべえ、ですよ!」
「じゃひんべえ、はにまる、いい?埴輪は、じつは。。。
生贄として死者にささげられた~!!」
「いけにえ?はにゃ!」「ちこちゃん、もっとわかりやすく、おねがいしますよ~!」
「ああ、そうくるとおもったわw。あのね、いけにえ、っていうか殉死っていってね。昔は偉い人が亡くなった時、皆とーっても悲しい、って思って自分から、一緒に死んじゃうことがあたりまえ、だったの。」
「へえ、悲しいと、しんじゃうんだ?!」「今でも、人気者の歌手の人とか死んじゃうと、後追いで自殺しちゃう、とかありますよ、いけないことですけどね!」
「そう、それで昔の天皇へーかとか、亡くなった時は何百何千人も、一緒に死んじゃってお墓に入ろう、って決まり事みたくなってたんだって。」
「へえ、そんなに!なんか物凄いアイドルだったんだな!」「王様みたいなもんですからね!」
「けどもしもぼくが死んじゃってお墓に入るっていったら、友達とかみんないっしょに死んじゃう、とかいやだ。」「ひんべえは一緒に入ってもいーですよ!」
「そーだよね。だから、やっぱりそんなのいけない、って思った垂仁天皇って人が、焼き物師のノミノスクネ、って人に頼んで焼き物の人形を作らせて、生贄の代わりに埋める事にしたんだって。*」(*異説有)
「人形でもいっしょにお墓に入れば、さみしくないよね、きっと。」「はに丸さまは、おやさしーですねー!」
「それからは、みんな偉い人とかお墓を作る時、たくさんの人形とか、馬とか、家とか、いろんなものを焼き物で造って”輪の形”で埋める事にしたんだ。それが”埴輪”ってこと。」
「へえ、そうかあ。それじゃ、僕みたいなセラミックドールが、生贄に成るたくさんの人の命を救ってきたんだね!」「そうですよ!はに丸さまも、もっとご自分の存在価値に誇りを持って、いいんですよ!」
「何さ、急に漢字使い出して⁉けどね、まあいちばん沢山でてくるのは、人形よりも土管みたいな”円筒埴輪”ってのだけどねw」
「ふうん、やっぱり面倒くさいから、簡単な格好に手抜きしちゃってるのかなあ。」「そんな、色々と訳があるかも、ですよ!」
「まあね、思えば私らだって、腕の間接とか首とか少ししか曲んないし。色々手抜きされちゃってるのかもね...」
「ひんべえも足の間接とか無いから、中の人もいつも苦労してるみたいですよ!」「ひんべえ、そんな弱音はいちゃだめだ!動けない埴輪たちだって、人の命を助けて来たんだ。僕たちも、もっとみんなの為に出来る事をさがさなくっちゃ!」「ああ、はに丸さま!ひんべえ、感動しました!」
「なんか良い感じに纏めちゃったけど、そういうことだから!また何かあったら、くるからね!」
そういってチコちゃんは帰って行った。こんどはいつかはに丸たちが遊びに行く番、かもしれない。
(つづく?)
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