2020年度 4本目の劇場鑑賞
冒頭、
〝実話に着想を得た物語〝との注釈あり。
本年度アカデミー賞ノミネート作品という事で、Netflixではなく劇場へいざ。
2005年にローマ教皇となったベネディクト16世が前代未聞の退位をするにあたり、後継となるフランシスコと対峙する、基本は対話劇だ。
崇高な聖職者2人の対話であるがゆえ、こちらの知識が及ばずの箇所も若干あるが、この作品の大義はまさにコレ。
保守派、改革派としての対立から思想、価値観の相違。
ジョークが好きか否か。
時には皮肉混じりに、または激昂しながら議論を交わす。
最終的には、青少年時代の罪をそれぞれが告白し、それぞれが赦しを与える事で次第に友情に近い感情が生まれ互いを認め合う様になる。
システィーナ礼拝堂での(1/3スケールで再現したらしい、お見事!)コンクラーベの再現は、模倣とは言え映像として初めて触れるにあたり感激した。あんな風に進行していくんだな。
もしも古典的なカメラワークであったら少し凡庸さも感じただろうが、斜めに切りとってみたり、下から煽ってみたり、動きを多くしてみたりしてハンディの軽いタッチが重厚な内容とは裏腹にとても観やすくしてくれた。
名優アンソニー・ホプキンスの悪顔も退位から次第に好好爺の表情になっていったり、ジョナサン・プライスも鼻毛が伸びていたり、ドキュメンタリーの映像か⁉︎と見紛うばかりの迫真の演技だった。
ラスト、別荘で寛ぐ2人が興じるのはワールドカップ決勝戦観戦。ドイツ対アルゼンチンだ(2人の出身国)。
これは、如何にもという感がなくはないが、他にもビートルズのCDの賃借があったりとか、民間人に寄せる演出が随所に。
教皇とは言え1人の人間である、というテーマをコミカルな落とし所として着陸させているので潔い。
英語、スペイン語、ドイツ語、ラテン語など言語が多彩なクァトリンガルな作品。
評点・・・★★★★ 4
『年末に、日本にもフランシスコ教皇が訪れましたね。広島、長崎で祈りをさざけました。この作品では、カトリック教会の不祥事問題については最低限の触れ方。2人が対話したのも史実としては不明となると、少しばかり綺麗に仕上げ過ぎたた感もあり、その点が少々マイナスと言えばマイナスかも。しかし、アカデミー会員好みの作品だ。作品賞獲るかもな。』
