公衆電話のおとこ①
ぼくの家の近くに、公衆電話がある。
団地が多い住宅街に、ポツンと大きな箱がたっている。
比較的大通りに面しているので、交通量は多く
クルマのライトが、その電話ボックスを照らしては消え、照らしては消える。
ある夜、会社からの帰り道、電話ボックスにおとこが入っていた。
ライオンの髪みたいになっている、高校生くらいの少年だ。
そばには自転車があるので、どこかの帰り道なのか
家から遠い、この電話ボックスにわざわざ来たか、だろう。
次の日も、その次の日も、彼はいた。
そして、今夜も彼は電話をしていた。
しかも、今日はタバコ吸いながら、ボックス内のイスに座り込んでいた。
彼はいったい、誰と話しているのだろうか。
つづく。
