京都 京都賞に京大の柏原氏ら 代数解析学の第一人者
稲盛財団(稲盛和夫理事長)は15日、科学や文明の発展、精神の深化などへの貢献をたたえる「第34回京都賞」の受賞者を発表した。基礎科学部門に、現代数学の代数解析学の第一人者である柏原正樹・京都大数理解析研究所特任教授(71)を選んだ。
先端技術部門は、神経活動をミリ秒単位(ミリは千分の1)で制御できる脳機能の研究手法を開発したカール・ダイセロス米スタンフォード大教授(46)、思想・芸術部門は、身体表現のライブとビデオ映像の融合など先駆的な表現形式で知られるジョーン・ジョナス米マサチューセッツ工科大名誉教授(81)にそれぞれ決まった。柏原氏は、代数解析学の要となる「D加群」と呼ばれる理論を基礎から構築。この理論の展開と応用により、多岐にわたって現代数学の発展に貢献したことが評価された。
授賞式は11月10日、京都市左京区の京都国際会館であり、これまでの2倍に増額された賞金1億円とメダルが各氏に贈られる。
■柏原正樹氏 代数解析学で中心的な理論を確立後、幾何学と代数学、解析学を融合させた研究などを手掛けた。国内外の数学者と共同研究も多く、現代数学の各分野で重要な成果を挙げ続けている。
■カール・ダイセロス氏 光で活性化するタンパク質を遺伝子操作で神経細胞に導入し、神経活動を精密に制御する「光遺伝学」を開発。脳の各領域がどのような機能と行動を担っているかを解明する研究分野に大きな変革を起こした。
■ジョーン・ジョナス氏 1970年代以降、身体表現とビデオアート、朗読など異なる要素が入り組んだ重層的な作品を発表し続けている。現代美術の最先端の表現形式はもちろん、教育者として後続の作家に多大な影響を与えている。
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京都 科学や文明の発展に貢献 今年の「京都賞」発表
科学や文明の発展に貢献した人に贈られる今年の「京都賞」の受賞者がきょう、発表され現代数学の構築へ大きく寄与した日本人数学者など3人が選ばれました。「京都賞」は人類の進歩に貢献があった人を讃えて稲盛財団が贈る国際的な賞で、今年で34回目です。きょうは、今年受賞する3人が発表されました。このうち、D加群理論を確立し代数解析学の構築に大きな役割を果たしたとして基礎科学部門に選ばれたのは数学者で京都大学数理解析研究所特任教授の柏原正樹博士(71歳)です。また思想・芸術部門には美術家でマサチューセッツ工科大学名誉教授のジョーン・ジョナスさん(81歳)が選ばれ先端技術部門には、神経科学者でスタンフォード大学教授のカール・ダイセロス博士(46歳)が京都賞史上、最年少で選ばれました。授賞式は今年の11月10日に京都市左京区の国立京都国際会館で行われる予定です。
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京大・柏原正樹特任教授に「京都賞」 代数解析学で功績
科学や文明の発展に貢献した人に贈られる「京都賞」に京都大学数理解析研究所の柏原正樹さんら3人が選ばれました。
「京都賞」は先端技術、基礎科学、思想芸術の各部門の研究に貢献した人に贈られます。34回目の今年、基礎科学部門で受賞したのは、京都大学数理解析研究所の特任教授・柏原正樹さん(71)で、数学のひとつの分野である代数解析学の要となる理論を確立したことが評価されました。
「非常に驚いております。いろんな方たちの力あってのことかと非常に感じている次第です」(柏原正樹さん)
また、先端技術部門はスタンフォード大学教授のカール・ダイセロスさん(46)が、思想・芸術部門はマサチューセッツ工科大学のジョーン・ジョナスさん(81)が選ばれました。授賞式は11月に行われます。
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あの頃考えていたこと(学問編) 数学 整数論(志村理論)を知る 「数を読む」
「数学者」としてのあの頃の感覚が蘇る?!
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【書名】「解決!フェルマーの最終定理 現代数論の軌跡」加藤和也著、日本評論社
( フェルマーの大定理が解けた!―オイラーからワイルズの証明まで (ブルーバックス) 足立恒雄著 新書 )
( フェルマーの大定理―整数論の源流 (ちくま学芸文庫) 足立恒雄著 )
( フェルマーの最終定理 文庫 フェルマーの最終定理 (新潮文庫) サイモン シン(著), 青木 薫 (翻訳) )
1993年6月23日に、プリンストン大学のA.ワイルスが、フェルマーの最終定理の証明を宣言し、その後、証明の不備が見つかり、1年以上に苦考の末、1994年9月19日にその修正に成功したこの期間に、著者が証明の解説として数学セミナー読者向けに書いたものを集めたものである。厳密性はないが、極力丁寧に、正確に伝えようとする、著者の誠実さと、理解の深さが伝わってくる。原論文の 1. A. Wiles; Modular elliptic curves and Fermat's last theorem, 2. R. Taylor, A. Wiles; Ring theoretic properties of certain Heck algebras にも、整数論にも、非常に惹きつけられる内容だった。購入時にも読んだと思われるが、詳しく覚えていないところをみると、理解しようとはしていなかったのかもしれない。むろん、今回も十分な時間をかけて読んだとは言えないが。
以下は備忘録
「砂田利一『基本群とラプラシアン、幾何学における数論的方法』」(p.37)「ワイルス『ぼくは、フライとリベットの結果を知ったとき、風景が変化したことに気がついた。(中略)この時まで、フェルマの最終定理は、何千年間もそのまま決して解かれることがなく数学がほとんど注目することがない数論の他の[散発的かつ趣味的な]ある種の問題と同じようなものに見えていた。フライとリベットの結果によって、フェルマの最終定理は、数学が無視することのできない重要な問題の結果という形に変貌したのだ。(中略)ぼくにとって、そのことは、この問題がやがて解かれるであろうと言うことを意味していた』」(p.67)「清水英夫著『保型関数I, II, III』、志村五郎著『Introduction to the theory of automorophic functions』、Knapp『Elliptic curves』、河田敬義著『数論I, II, III』、藤崎源二郎・森田康夫・山本芳彦著『数論への出発』、上野健爾著『代数幾何学入門』、J.H.シルヴァーマン・J.テイト著(足立恒雄〔ほか〕訳)『楕円曲線論入門』、土井公二/三宅敏恒著『保型形式と整数論』、肥田晴三著『Elementary theory of L-functions and Eisenstein series』、吉田敬之著『保型形式論: ─現代整数論講義─』、N.コブリンツ著(上田勝〔ほか〕訳)『楕円曲線と保型形式』」(p.123,4)「田口雄一郎さんの手紙に『Deligne さんの家はこの道の始まりのところ、森の入り口にあります。Deligne さんといへども、森羅万象の真理の最奥に至る道のほんの入口のところにゐるに過ぎないといふ、これは自然による卓抜な比喩であると思われます。ところが、恐ろしいことに彼の子供たちは毎日この道を通って森のむかうの学校に通ってゐるらしいのです。』とありました。フェルマーからの350年は大進歩でしたが、人類が続いてゆけば、それは今後何千年の数学の序曲であり、何段も何段も自然の深奥への新しい段階があることでしょう。」(p.239)「ガウス『どのように美しい天文学上の発見も、高等整数論が与える喜びには及ばない』ヒルベルト『数論には古くからの問題でありながら、今日も未解決のものが少なくない。その意味で、多くの神秘を蔵する分野であるが、他方、そこで展開される類体論のような、世にも美しい理論がある』」(p.245)「岩澤健吉『代数体と、有限体上の一変数関数体は、どこまでも似ていると信じてよい』」(p.246)「志村五郎は『整数論いたる所ゼータ関数あり』と述べたが今その言葉に『ゼータ関数のある所 岩澤理論あり』と続けて考えたい」(p.261)『ゼータ関数のある所 肥田理論あり』ともいえる。
「フェルマーの最終定理」を理解したい人(参考 書籍紹介)
N.コブリンツ著(上田勝〔ほか〕訳)『楕円曲線と保型形式』
土井公二/三宅敏恒著『保型形式と整数論』
志村五郎著『Introduction to the theory of automorophic functions』
J.H.シルヴァーマン・J.テイト著(足立恒雄〔ほか〕訳)『楕円曲線論入門』
Knapp『Elliptic curves』
河田敬義著『数論I, II, III』
藤崎源二郎・森田康夫・山本芳彦著『数論への出発』
上野健爾著『代数幾何学入門』
肥田晴三著『Elementary theory of L-functions and Eisenstein series』
清水英夫著『保型関数I, II, III』
吉田敬之著『保型形式論: ─現代整数論講義─』
砂田利一著『基本群とラプラシアン、幾何学における数論的方法』
原論文の
1. A. Wiles; Modular elliptic curves and Fermat's last theorem,
2. R. Taylor, A. Wiles; Ring theoretic properties of certain Heck algebras
(一部、数学では、一般向けでないものもあるので注意を)
論文集 (志村五郎)
Collected Papers. I: 1954-1965 (Hardcover ed.). Springer. (2002). ISBN 978-0-387-95406-6.
Collected Papers. II: 1967-1977 (Hardcover ed.). Springer. (2002). ISBN 978-0-387-95416-5.
Collected Papers. III: 1978-1988 (Hardcover ed.). Springer. (2003). ISBN 978-0-387-95417-2.
Collected Papers. IV: 1989-2001 (Hardcover ed.). Springer. (2003). ISBN 978-0-387-95418-9.
など
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<数学の女王 「整数論 」 >数学者・志村五郎はなぜ東大を去ったか? 丸山眞男~戦後進歩的知識人との決別の理由/志村理論の始まりは・・・「すべての楕円曲線はモジュラーである」
http://playmath.seesaa.net/article/465817414.html
http://math00ture.seesaa.net/article/465867467.html
<数学 「整数論」の世界的権威> 300年来の超難問証明に貢献、志村五郎氏死去 (志村五郎先生のご冥福を、お祈りいたします。)
http://math00ture.seesaa.net/article/465867150.html
数学者(整数論) 志村五郎氏死去 (谷山志村予想とフェルマーの最終定理 300年来の超難問証明に貢献) 2019年 5月3日
http://math00ture.seesaa.net/article/465863003.html
参考
2015年11月
NHK (今日、今晩放送! 全4回)数学ミステリー白熱教室 ラングランズ・プログラムへの招待 数学を統一する 数学の理論(特に対称性)の後!「楕円曲線」「表現論」「保型形式論」・・・
http://math00ture.blog.jp/archives/2822053.html
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ラングランズ・プログラム(英: Langlands program)は、代数的整数論におけるガロア群の理論を、局所体およびそのアデール上で定義された代数群の表現論および保型形式論に結び付ける非常に広汎かつ有力な予想網である。同プログラムは Langlands (1967, 1970) により提唱された。
ラングランズ・プログラム(英: Langlands program)は、日本の「志村五郎氏」による進展が大きい。
動画
数学ミステリー白熱教室 (第1回から第4回)動画(フェルマー予想 から ラグランズプログラム)
https://www.youtube.com/watch?v=octSjc1Sk2U&list=PL6iz98WS2YpRGR2egcplCqKnx6PBr3czn
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