大谷翔平、5月の空に描いた“17号”アーチ――止まらぬ進化と“ミスターメイ”への道
ロサンゼルスの青空に、またひとつ伝説が刻まれた。
現地5月19日(日本時間20日)、ドジャースタジアムで行われたダイヤモンドバックス戦。
1番DHで先発した大谷翔平が、6回裏の第3打席で放った一振りは、左翼スタンドへと一直線。
これが今季17号、そして5月だけで10本目となるホームランだ。
この一発、ただの一打ではない。打球速度は172.8キロ、飛距離は118.5メートル。
打球角度は28度と、美しい放物線を描いた。
相手投手ファットの外角スライダーを、迷いなく捉えたその打球に、左翼手グリエルもただ見送るしかなかった。
大谷は例年“スロースターター”として知られてきたが、今年は違う。
5月に入ってからの勢いはまさに“ミスターメイ”の名にふさわしい。
5月のホームラン2桁到達は、メジャー8年目で初めて。
これまでの自己最多は2023年の8本だったが、今年はすでに10本目。
しかも今月はまだ10試合以上を残している。
このペースをシーズン162試合に換算すると、なんと57本。
昨季マークした自己最多の54本を上回る勢いで、今季も本塁打王争いの主役を張っている。
しかも、17号到達は昨季より21試合も早い。
大谷の進化は、数字の上でも明らかだ。
この日のドジャースは、投手陣が崩れ5-9で敗れたものの、大谷のバットは変わらず輝きを放った。
前日にはエンゼルス戦で“花巻東対決”となった菊池雄星からタイムリーヒットを放つなど、5打数3安打1打点の活躍。
連敗中でも、チームの希望をつなぐのが大谷の存在感だ。
さらに特筆すべきは、4月末から7カード連続でホームランを放っていること。
ドジャースタジアムでの通算本塁打も39本に到達し、今季は本拠地で10本、敵地で7本。
家族が増え、自宅から通う新たな日常の中で、ますますバットに磨きがかかっている。
5月の大谷翔平は、まさに“止まらぬ進化”の象徴。
ファンの期待を軽々と超え、記録の彼方へと走り続ける。
次なる一発は、どんなドラマを生むのか。
今季の“ミスターメイ”から、目が離せない。