課金について考える2 | iPadGamer

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このブログは、iPadに関するゲーム情報、攻略記事、プレイ雑感などをつづっています。取り上げて欲しいゲームがありましたらコメントにて。

前回は、世の中は既にソーシャルにシフトしており、売り切りゲームは芸術・文化として理解すべきであるということを書いた。今回は、iPadGamerが個人的に課金するかしないか、どうやって判断しているかということをまとめたい。

当方、基本的にはゲーム内課金をしないのだが、それを完全に否定するつもりも毛頭無い。事実、これなら払っても良いなと思ったら、ためらいなく課金している。それでは、どのような課金なら良くて、どのような課金はダメだと考えているのだろうか。

客観的に自己分析してみると、どうやらiPadGamerは、ゲーム内課金を幾つかのジャンルに類型分けしているようだ。そして、それぞれのジャンルによって、「課金しても良い」とか「絶対課金しない」とか考えている模様である。そのジャンルとは、次のとおり。

・下巻を買う課金 → OK
・事務改善の課金 → 
OK
・愛車を選ぶ課金 → 
OK
・裏口入学の課金 → アウト
・ギャンブル課金、無限課金 → アウト


以下に、これらを詳しく見ていこう。



【下巻を買う課金】・・・ OK
これは、読んで字の如く、単行本の上巻を読んだら面白かったから、下巻も続けて買うようなニュアンスの課金だ。追加シナリオを購入するとか、ゲームのフルバージョンをアンロックするとか、そういうのがこの課金に当たるだろう。こういうのは全然OK

一つのゲームが終わり、「あー面白かった、もっとこのゲームで遊びたい」と思うことは多いだろう。そこに追加シナリオが出るなら、金を突っ込んでも全く惜しくない(実際、一昔前のPCゲームでは追加シナリオを買って遊ぶのは当たり前だった)。iOSゲームでも、もっとこういうのがあって良いと思う。些細な追加ならアプデ対応すべきだが、新たなキャンペーンなどは課金するようにした方が、メーカーの経営的にもずっと良いだろう。

また、無料ダウンロードのゲームのフルバージョンを課金で購入させるのも十分有りだと思う。この場合は、そもそも最初がお試し版のようなもの。つまらなければ課金しなければ良いし、面白いならフルバージョンをアンロックすれば良い。この手の課金も、何の問題も無いと思う。



【事務改善の課金】・・・ OK
これは、ゲームの本筋とは余り関係ない部分で、無駄を省き効率化を図るための課金だ。例えば、通常1エネルギーで1の木を切るところ、3の木が切れるオレゴンセトラーの「金の斧」みたいなのがあげられよう。その他、カバンの拡張なんかもこれに入れて良いと思う。こういうのも、大勢に影響はないので、必要なら課金するし必要ないなら買わない。
※この手の課金は、ビジネスアプリの方がむしろ多いかもしれない(Evernote連携機能の追加など)。


なお、ソシャゲに良くある待ち時間の短縮とかは、恒久的に必要=全く事務改善になっていない、という理由で、個人的にこのジャンルと見なしていない。



【愛車を選ぶ課金】・・・ OK
男にはこだわりがある。どうしてもコレでなければ自分ではない、というこだわりが。そのためなら、金に糸目はつけない・・・それが男というものだ(もちろん女性も)。自分がこれと決めた相棒なら、それを入手するのに必要な課金を惜しむヤツはいない。

デトマソパンテーラが欲しい? ・・・ならばためらわずゲット!!
メッサーシュミットじゃなきゃいやだ? ・・・ならば金なんか惜しむな!!


iPadGamer的には、どうしても絶対死んでもこれでなければならない、という機体があるならば、それが課金オンリーの機体であっても、ためらうべきではないと思う。それが強キャラだろうが弱キャラだろうが、そんなことは無関係。ゲームというのは、自己実現と自己表現の場だ(おおげさ?)。愛車のためなら、喜んで課金するのがゲーマーだ。キャラの外見をカスタマイズするための課金とかも、全く同じ理屈でためらわない。



【裏口入学の課金】・・・ アウト
これは、ゲームの根幹に関わる部分の課金だ。要するに、本来得られないはずの力を、金を払って手に入れるというものである。レベル1の段階から課金でインフィニティブレイドを手に入れるとか、他の人が弓矢で戦っているところにバズーカ砲を持ち込んで対戦相手皆殺し・・・とかである。これはアウト。正直、当方の感覚とは相容れない。

ゲーム序盤に弱い装備でチマチマ戦っている時間がもったいない、すぐに強い武器が欲しい・・・という向きもあるだろうが、iPadGamerに言わせれば、強い敵相手に苦しい思いをする時間こそが楽しいのであり、そこをすっ飛ばしてしまうこと自体がもったいない。苦労して修行した挙げ句に身につけたスキルと、血の海のなかから拾ってきた武器を使って戦いながら、「俺を誰だと思っている!」と言い放つからこそ楽しいのである。その過程を省略するのは、推理小説を買ってきて、最後の1ページだけ読んで「ああ、ヤスが犯人ね」と納得するようなものだ。

最初の城から既に、勇者の剣と勇者の盾と勇者の兜と勇者の鎧を装備して出発するなんて面白くない。アイテムを見つけても嬉しくない。手持ちのゴールドをかき集めてはがねのつるぎを買おうという気にもならない。それどころか、冒険に旅立つ気にすらならない。「だって、魔王とかいつでも倒せるみたいなw」になってしまう・・・これが嫌なのである。

せっかく買ったゲームなら、新しいアイテムを見つけてワクワクしたい。鑑定結果にガッツポーズしたい。鋼の剣と銀の弓のどちらを装備すればいいか、じっくり悩みたい。それこそが楽しみだから、当方はこの手の課金をしないのである。

・・・しかし考えてみると、お金を払えば良いサービスが受けられるのは当然。にもかかわらず、現実社会では平気でスタバでグランデを頼んで飲み残すiPadGamerも、ゲーム内では同じ金で買える最強装備に見向きもしない。ならば、ゲーム内でガチャとかにバンバン課金する人達は、現実社会ではどれだけ金遣いが荒いのだろうか。リアルの金回りとバーチャルでの課金額との関係は、比例しているような気もするし、反比例しているような気もする。どのような相関があるのか、ちょっと調べてみたい気もするテーマだ。


【ギャンブル課金・無限課金】・・・ アウト
これは、ガチャ系の課金だったり、待ち時間短縮系の課金のこと。最近のゲームのなかには、持ってないカードを引きたいとか、強いアイテムを入手したいとか、そういった様々なギャンブル要素が盛り込まれ、射幸心をあおる。仮面ライダーカードやビックリマンシールと同じだ。でるかも・・・今度こそでるかも・・・ダメだ・・・またダメ・・・よっしゃキタあああ!!!みたいな。

iPadGamerがこの手の課金を避けるのは、単純に際限が無いからであり、メーカーの思惑にはまるのが嫌だからでもある。だが、ビジネスモデルとしては、別に否定するつもりはない。未成年者がこの手の課金を行うのは問題だが、社会人なら自分のお金をどう使おうが勝手であり、その金と期待に見合うサービスをメーカー側が提供しているなら、別に問題は無いだろう。

ただし、ギャンブル系の課金はおそらく対戦系のゲームに多いと思うので、本当はメーカーには、ガチャではなく対戦の方に課金するようなシステムを望みたいところだ。対戦ごとにアイテムをゲットできるようにすれば、金をかけたプレイヤーではなく、対戦回数が多いプレイヤーの方が強くなる。その方が健全のような気はするのだが・・・。



ちなみに、自分の理想とする最強のデッキが有り、それを実現するためにはガチャが必要、というパターンは、【愛車選び】【裏口入学】【ギャンブル】なのか、ちょっと判別がつきがたい。金に糸目をかけずに最強デッキをつくるのがゲーマーとしてあるべき姿なのか、それとも手に入るカードだけでコツコツ頑張るのが真のゲーマーなのか、よく分からない。

しかし、もし当方がこんな状況になったらどれほどお金をつぎ込むか分からないので、なるべくそんなゲームに手を出さないよう、細心の注意が必要だということだけは間違いなさそうだ。