ネットで見つけた記事だけど、面白かったので引用します。
記事そのものは、野球殿堂入りの投票について述べたものです。
今回の投票で川相昌弘氏が、同じ遊撃手として打撃成績では野村謙二郎氏や石井琢朗氏よりも成績が劣りながらも、投票では両氏を上回ってる点について解説されてます。
記事の中で、何故川相昌弘氏の投票が野村・石井両氏を上回ったのか、それを以下のように述べてます。
おそらく理由は一つしかない。川相が通算533犠打の「世界記録保持者」であることが、2000安打以上に高く評価されているのだ。
なる程、世界記録というのは凄いことです。
No. 1なのだから。
しかし記事は述べます。
そもそも犠打とは、普通に打たせても安打が期待できない打者に与えられる作戦である。大谷翔平や村上宗隆には、どんな場面であろうとバントなどさせるわけがない。
川相自身、もっと打てる選手だったら世界記録になるほどバントは命じられなかったはずで、そうだったら殿堂の票数はずっと少なかったと思われる。これはどう見ても矛盾だ。
つまりは、世界一という数字のレトリックに惑わされている、ということです。
あるいは、送りバントという自己犠牲の精神が日本人のマゾヒズム体質に合ってるということなのかも知れない。
記事にあるように、大谷翔平や村上宗隆という選手がバントするとは考えられない。
川相昌弘選手について擁護するならば、自身が持つ533の犠打のうち、半数でも自由に打てたなら、自身の通算安打1119本から、もう100本から200本を上積み出来たかもしれない。
だがしかし、その結果が、通算安打1300本では、2000本以上ヒットを放ってる野村謙二郎や石井琢朗の前には色褪せる。
つまりは、やはり通算犠打533の世界記録こそが野球殿堂への道標となったということです。
しかし、ここで今一度バントの功罪について考えたい。
僕のblogの読者ならば、ぼくがバントという自己犠牲がプロの興行にそぐわないという点を言い続けている点をご存知でしょう。
(ほとんど読者は居ないだろうけど)
その点、この記事は、川相昌弘氏のバントの世界記録から、メジャーのバントについての記事に繋がります。
それが実に面白かった。
現在メジャーリーグの最多バント記録保持者は、サイ・ヤング賞投手でもあるドジャースのクレイトン・カーショウの110。
しかし、これはもう増えることはない。
何故ならば、アメリカンリーグも昨年からDHを採用したから、カーショーが打席に立つ機会はまず無いと言って良い。
メジャーリーグで投手が打席立つのは、ショーヘイ・オオタニだけだろう。
そして大谷翔平が送りバントするとは到底思えない。
更に記事を引用しよう。
そもそも、現代のメジャーでは犠打は滅多に使わない。昨年は、球団別で最多のダイヤモンドバックスでも年間31回、次いでエンジェルスの25回。10球団が10回未満で、そのうち世界一になったアストロズを含む8球団がポストシーズンに進出した。ナ・リーグ東地区覇者のブレーブスに至ってはたった1回。送りバントは勝利のために必須の戦略ではないのだ。
これには驚いた。
メジャーリーグ30球団、年間162試合で、送りバントをしたチームの最多が31回。
最も少ないのがプレーブスで1回との事。
対してNPBでは、犠打最多が中日の123個、最小は巨人で73個。
因みにパリーグ最多はオリックス114個、最小は西武の78個。
やたらバントが多かったイメージのマリーンズは平均点の94個でした。
これだけをみても、メジャーに比べ、日本野球がいかにバントを多用してるか、分かろうってものです。
今年、バセ両リーグで4チームの監督が代わります。
その新監督がどんな野球を見せてくれるのか、相変わらずの野球を継承してゆくのか、あるいはその前のWBCの重量打線がどんな戦いを見せてくれるのか、注視して焼きたいと思うのです。