僕は前作「アバター」を映画館で4回見ました。
全く前知識なく1人で近所の映画館で見たのが最初。
その時、この映画の持つSF映画としての素晴らしさに感激し、2回目は同じく映画好きな長男と。
3回目はSF好きな妻と。
そして当時地元のシネマックスでは3D映画の公開が無かったので、日比谷の日劇にて4回目は3Dとして鑑賞しました。
そのくらいこの映画に感激しました。
因みにその時テレビクルーに取材され感想を述べたけど、その放映を見たという声は誰からも聞かれなかったから、あれは没になったのだろう。
当時はちょっとした社会現象でもありましたね。
「アバター」は、SF映画として「2001年宇宙への旅」以来の傑作であり、僕にとっては21世紀に見た映画の中でBestの作品であります。
唯一SFというジャンルに限れば「インターステラー」という秀作もありましたが、総合力で見た時「アバター」そこが最高傑作だとするのが僕の感想です。
前作「アバター」のどこがそんなに凄いのか?
これを完璧な映像美だけに求めては行けない。
何よりすごいのはSFとしての世界観の設定力。
惑星パンドラという存在。
この星で採れる鉱石が重力を弱くする。
故にこの星に住むナヴィは身長が3メートル程になる。
そしてパンドラにおける動植物の見事さ。
地球環境とは異なる大気を持つが故、この星で順応するためにアバターを作り出す、という合理性。
やや自然賛美及びその崇高さは鼻に付き、ジブリ映画かよ、というツッコミはあれど、決して複雑さを求めることなく、それでも戦闘の迫力は平和依存を吹き飛ばす。
まさに見応えいっぱいの映画であったと思うのです。
そして13年ぶりの続編です。
暮れの忙しい中とはいえ、時間をやりくりして行かない訳には行かない。
今回どんな世界観を見せてくれるのか、前作以来の監督ジェイムス・キャメロンが、プロデューサーとして名を連ねることなく、自らが監督として脚本も手掛ける事にこの作品への想いを強く感じます。
そして、それは見事に消化されたとの感想を持ちます。
ジェイムス・キャメロン素晴らしい!
自らプロデュースした「アニータ」に比べれば、その出来は雲泥の差。
この監督のあくなき追求心は、やはり映画監督こそが相応しい。
ジョージ・ルーカスが「スターウォーズ」一作以降、自身が映画を撮らなかったために、駄作への道と繋がった失敗が「アバター」には無い。
今回は最初から3DのIMAXという迫力ある画面で見たけど、凄かった。
普段2D映画ばかり見てるから、今時の3Dの迫力に圧倒されました。
アバターは3Dの画像を見るだけでも価値がある。
物語は、映画の公開と同じ前作から13年後から始まります。
ナヴィとして生きる道を選んだジェイクは、妻とネムテアとロアクという2人の息子と娘のトゥク、そして科学者グレースのアバターから生まれた養女キリ、そして宿敵クオリッチ大佐の息子である人間のスパイダーと平和に暮らしてました。
しかし、平和な時は長く続かない。
再び人類がパンドラに来訪。
しかも今度は前回ジェイク率いるナヴィとの戦いで戦死したクオリッチら海兵隊のメンバーがアバターとして蘇り、ジェイク達の敵となったのです。
ジェイクは、トゥルーク・マクト(首長)としてゲリラ戦に挑むも、自らが標的となっていることを知り、部族を離れ、海の民の部族に、身を寄せる事になります。
森の部族であるジェイクの家族は海での生活に戸惑いながらも、その生活に慣れ始めた時、クオリッチ達との戦いが始まるのです。
全体的にテーマとなるのは家族愛。
特にジェイクに子供ができ、親子や兄弟の葛藤が描かれます。
家長ジェイクを中心とする家族愛は、ともするとドラマトィルギーとしてダレるきらいはえるものの、それを上回る戦闘や個々の子供達の個性が丁寧に描かれていることもあって、紙一重ながら三文芝居とならやかったのは、キャメロンなるが故かも知れない。
この映画唯一の欠点はここにある、と思う。
それでも長男ネムテアと次男ロアクの個性もきっちりと描かれてるし、キリは恐らくは自作以降エイワに導かれることになろう。
また人間であるスパイダーと敵キャラであるクオリッチとの絆も悪く無い。
そのキャラクター全てがナヴィかアバターでありながら、その個性を引き出させている点も演出のなせる術。
やはりキャメロンは凄い。
前作の続編ということで、その舞台や設定の新しさに感嘆はないものの、ストーリーそのものも面白いし、ジブリには無い戦闘の迫力は目を見張るものがある。
前作と同じ音楽が使われてる点も僕的には良かった。
そして何よりも圧倒的な映像美がこの映画にはある。