どっても良い映画でした。
気持ち優しくなれる素晴らしい映画だと思います。
自閉症で施設に住む主人公の少女。
彼女は「クタートレック」が大好きで、そのシナリオコンテストに応募すべく、500ページの物語を書き上げます。
しかし、それが応募締め切りまでに投函出来ない事となり、それならば自分で届ければ良いと冒険の旅に出るのです。
彼女は、施設と自身が働くパン屋さんの往復しかしたことがありません。
だから自分の手帳にバス停の位置や、渡っては行けない信号等を書いて必死に覚えているのが日常。
それでも勇気を振り絞って出立。
愛犬を連れての旅が始まります。
そんな彼女が失踪したのだから、施設の職員や彼女の姉は大慌てで彼女の行方を追います。
途中で出会う人たち。
時には、現実を思い知らされるような辛い体験もあるけど、その多くの人達は優しく彼女に接してくれます。
それがホロリとくる。
涙腺が緩みます。
アメリカ映画は、ロードムービーを作るのが本当に上手い。
必死の思いで、サンフランシスコからハリウッドまで突き進む彼女の強い意志は、スタートレックでのカーク船長のnever give upの精神を心の中で受け継いでいるから。
「スタートレック」の映画やテレビシリーズを知ってると、映画がより楽しめるし、途中出会う警官がクリンゴン語で主人公に話しかけ、それで彼女が安心するシーンなんてのは、スタトレファンからすれば泣けてくる。
それを「なんなの、この人たち?」という目で見る同僚がまた楽しい。
マニア同士のというのはそういうものなのだよ。
新海誠「スズメの戸締り」もある意味ロードムービーではあったけど、この映画での出会いの方が余程自然で面白い。
主演はダコタ・ファニング。
スピルバーグの「宇宙戦争」での天才子役。
思春期の役どころとして、その才をいかんなく発揮してます。
自閉症で人との接触が苦手ながら、強い意志を持つ少女を好演。
彼女を探す施設の職員として、トニー・コレットが共演。
シックスセンスの時はただのおばさんかと思ったら、その後の活躍はびっくりというバイプレイヤー。
ホラーやSF、スパイのボスやらといったたくさんの映画に出てます。
中でもキャメロン・デュアスと姉妹を演じた「インハーシューズ」が僕は好きです。
バトルや犯罪ものも悪くは無いけど、歳と共に優しいこういう映画が好きになりました。