西武所沢遠征の翌日、午前中映画に見に行ってきました。
「家の周りが散乱してるでしよ、何とかして」とか
「リビングや書斎が散らかってるからそれをお片付けしなさい」
なる家人のお達しを受けたのだけど、どーしてもやる気が出ない。
試合はPM1時だし、その時間にはリグンぐに正座して試合に備えなければならない。
(ビールと落花生を用意するという儀式もあるし、今回は博多のラーメン店で入手したピリ辛高菜という逸材もある)
幸い敵も試合開始時間まではお買い物に出ている。
てな事で、それまでに帰るという時間を有効利用するには映画館に逃げ出しました。
後は野となれ山となれ。
てな事で見たのが「引っ越し大名」
特にこれが見たかったという事もなく、丁度時間に合うのが、この映画と三谷幸喜の「記憶にございません」だったから、消去法でこちらをチョイス。
徳川五体将軍綱吉の時代。
徳川家は大名の財力を削ぐために国替えを頻繁に行いました。
いわゆる大名のお引越しという訳ですね。
その国替えを何度もさせられた実在の大名・松平直矩の引越し騒動を描いた映画です。
原作・脚本は『超高速!参勤交代』を手がけた土橋章宏のオリジナルなんだそうです。
その発想および脚本の妙がお見事。
特別唸るようなお話ではありませんが、これを史実として実在の話として描いている点が偉い。
脚本家いや小説家としての力量を感じます。
姫路松平藩が切れ者老中柳沢保明の命により、肥前日田へと国替えを命じられます。
しかも減封であります。
この引越しを取りる奉行に、書院番頭で、今でいうオタクの片桐春之介が選ばれます。
本が好きなら物知りだろうという事と、失敗した時の尻尾切りという理由です。
その片桐春之介、イヤイヤながらも、親友鷹村源右衛門や引越しのプロの娘お欄の協力を得て、やがてそれを成し遂げるまでをコメディ満載で描きます。
時にそれはミュージカルタッチであり、隠密の躍進あり、そして恋あり、となかなかに華々しいし楽しい。
それでも現実問題として、引っ越しにはお金が必要。
てな事で商人から借用したり、いかに人件費を節約するか、持っていくものを減らすか、悪戦苦闘。
良くあるコメディと言ってしまえばそれまでだし、最初からおおよその想定内の安心して見られる映画とも言える。
だからこそ面白いとも言えるし、それ以上ではない分、映画館で見る映画というよりは、良く出来たドラマという言い方もできる。
監督は犬童一心。
大概の娯楽映画をつつがなく撮ります。
近年では、シンゴジラやのぼうの城が代表かな。
主演は、オタクの引越し奉行に星野源。
正しく適役。
親友で体育会系なのが高橋一生。
引越を取り仕切る術を知る子連れの後家に高畑充希。
彼女が良いね。
凄くいい。
ほとんど女優らしい女優が出てない中、彼女1人だけでも輝いてる。
可憐でいて強かさも持ち合わせている彼女が出てるだけで、この映画輝いてると言っていい。
ミュージカルの引越し唄の振り付け監修を野村萬斎がクレジット。
犬童一心監督とはのぼうの城で一緒でしたね。
このへんをクレジットで発見したりすると嬉しくなってくる。
P.S.この日マリーンズ快勝だったから、家人に叱られずに済んだ。
めでたし、メデタシ。