冲方丁のミステリー小説の映画化になります。
冲方丁といえば「天地明察」という面白い小説の作者です。
あの作品は、作者の知性の高さを感じさせる傑作であったと思います。
そういう発想の出来る作家の原作であるがゆえに期待して映画に臨みました。
この原作も未読だったしね。
安楽死をするため集まった12人の少年少女が、なぜか13人目の少年の死体を見つけたことから始まるミステリー。
犯人探しをする中で、12人の少年少女たちの死にたい理由が徐々に明らかになっていきます。
こどもたちとタイトルにあるけど、子供というよりは思春期の高校生なので、思春期なるが故の悩みが甘酸っぱく語られ、それが死にたいという動機に現れる。
その過程が映画のコンセプトと言って良い。
だから、犯人探しのミステリーというよりは、ライトノベル風あるいは、ロールプレイングゲーム風の理屈っぽい映画と見れば良いかもしれない。
その理屈が、それなりの面白さではあるのだけど、全体的に緊張感を持っていないから、ミステリーとしての出来が弱い。
演出の堤幸彦監督の冴えも脚本のキレもイマイチかな、という印象。
演じている若いアクター達も、素直すぎて、もう少し良い意味の裏切りとか欲しかった。
新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜とか、良い役者になりそうな素材は認めます。
ほっとする物語に好感を持つ人もいるだろうけど、僕はもう一つひねりが欲しかった。