野球が無いから、暇があれば映画ばかり観てました。

そんなプレビューも僕のライフワークなので、出来るだけアップしていきたい。


順不同となるけど、最新で見た映画「七つの会議」



下町ロケットの池井戸潤原作、制作がTBSで監督がTVで下町ロケットを演出した福澤克雄氏という、TVの延長そのままという映画であります。

TVの延長という意味では、下町ロケットでの出演者がたくさん出てます。ゲスト出演的なちょい役から役柄を変えて主要登場人物だったりと多様です。

どうせなら、佃製作所も何らかの繋がりで出せばよかったのにね。

そういうのは観客の心をくすぐるんだよ。


下町ロケットはテレビドラマとしては、稀に見る傑作でありました。

僕はCSの集中放送で見たけど、思わずのめり込むほどに面白かったし、TVドラマとすれば最高水準のレベルであったと思います。


そして、同じスタッフによる映画「七つの会議」も作品の出来としては間違いなく面白かった。


先ず、原作の出来が良い。

流石は池井戸潤。

会社物語と言えば、昔は源氏鶏太や城山三郎をよく読みました。

今は、池井戸潤がベストですね。

リアリティ溢れる会社内部の事情や系列・下請という日本独自のシステムを念密な取材で描きます。

だからこそのベストセラー作家であり読者の圧倒的な支持を得られるのでしょう。


そして、それをきっちりと描き出したTBS制作陣と演出の福澤克雄の勝利の頂点にあったのが下町ロケットだと思います。

その意味では、あくまでその延長線上の作品として「七つの会議」があると思えば良いかな。

映画のスケールが下町ロケットに比べると、もう一つという点は引っかかる。

やはり、映画ならではの大きさが欲しかった。

映画は映画ならではのスケールが欲しいし、ある意味アクションがあっても良い。

原作が面白いから原作から逸脱する必要は無いのかも知れないけど、それでも映画ならでは、が欲しいとこれは僕の願望。


大手電機メーカーの系列である東京建電の営業一課で係長を務めている八角民夫(野村萬斎)が主人公。

会議中に寝てしまうようなグータラ社員でありながら、彼を叱責する上司や素行を暴こうとする者は、左遷させられる。

親会社であるメーカーから極限のノルマを課せられ、営業部は必死で結果を出そうとする中、彼のそれはどんな秘密があるのか?

左遷させられた課長の後釜の新課長と不倫に嫌気がさし、寿退社と偽って会社を去ろうとするOLの2人が謎の解明に動き出す。


と、いうのが大まかなストーリー。


いつもの池井戸潤作品と違って、前半から中盤にかけては、謎解きのサスペンスがなかなかに面白い。

後半はいつもの池井戸潤ペースの企業と社会正義についての寓話のなります。

その寓話の落ち着き先が、強いて挙げれば、いつものカタルシスとはならない。

と、僕は思う。


それでも一気に最初から最後まで面白く見れたし、昨今の日本映画の出来を思わば、標準以上。


主演は能楽の野村萬斎。

僕は歌舞伎や能楽の役者を映画やドラマに使うのは反対の姿勢。

この映画も、片岡愛之助や香川照之という梨園が出てる。

彼ら全て良い役者ではあるけど、どうしても歌舞伎や能楽の持つ、目を大きく見開いて大見得を切る演技が目に付く。

野村萬斎について言えば、彼ののぼうの城における成田城主役は良かった。

のぼうをのびのびと演じていました。

ある意味大げさな演じ方すら自然でした。

ところが、現代物のサラリーマン役ではある意味演技過剰。

前半のグータラぶりと後半の正義を振りかざす八角にやり過ぎの演技過剰を覚えます。

逆に抑えた役所の及川光博が返って自然に見えてしまいました。


最後に、会議って七つあったの?