相当にグロいサイコ映画であります。

雨の中の凄惨な連続殺人は、Dフィンチャー「セブン」を彷彿させます。

まあ、あの映画程の仕掛けも演出もそして格式はありませんがね。

 

連続殺人を繰り返すカエル男の狙いは何なのか、その犯人を追う主人公の刑事を小栗旬が演じます。

その主人公は、仕事に没頭し家庭を顧みずに妻に愛想を尽かされ妻子で家出。

その妻子を狙う犯人と主人公の駆け引きを追います。

 

人はね、触れられると心が痛い琴音があります。

黒板をひっかく音が、耳に不快に響くように、映画で描かれる凄惨な事件と人質の話は、それが我慢できない擬音に響くのです。

この映画は、それを描きます。

 

間違いなくR18の世界です。

ある意味、すざまじい映画と呼べるかも知れない。

どこかに救いがあるはずだと信じて、ゾクッとするシーンは、この映画の中で最高のシーン。

どこか、全体的に定型化されたストーリーと人物像に不満はありましたが、一つのゾクッとしたブラックに僕は惹かれました。

 

犯人役の妻夫木聡すげーよ。

この役者、「怒り」でのゲイ役こそ最高と見たけど、こういう役をきっちりと演じきれることにも脱帽であります。

監督は大友啓史。

シャープな演出は、監督としてのキレを感じました。