2021年、埼玉の熱い夏、
当時の仕事の関係でワクチンの職域接種に行った。
埼玉県人だが県庁のある浦和駅に降り立つのは、
人生で数えるばかりか初めてか?
見覚えのない街並みを抜けて浦和合同庁舎へ。
幸い大人になってからインフルエンザで痛い目に合った事はなく
僅かな余暇はお酒を飲んで体調を整えて来たため、
自らワクチン接種に出向いた事はなかった。
ルワンダ行くのに必要だった黄熱病のワクチンは打った、
必要に迫られないと行かないただのズボラか。
確立されたスムーズな流れ作業。
歯を食いしばり、チクッとした痛みの後、
何か質問はありますか?と、ドクターが言う。
お酒は飲んでも良いでしょうか?と、聞くと
今日はやめた方が良いでしょう、との事。
理由は、副反応がワクチンなのか酒に依るものなのか
わからないから、
と言う事なので自己責任で飲むことにした。
1回目は上腕に鈍い痛みを感じた程度だったが、
2回目は高熱にうなされた子供の頃を久しぶりに思い出す、
そんな一晩を過ごした。
当時バイトしていた職場では運よく
両脇を陰謀論者に挟まれて、
毎晩世の裏の楽しいストーリーを聞かされていた。
ワクチンにはマイクロチップが入っていて
ブルートゥースに接続される、とか、
脳が闇の組織に支配される、とか、、
機械に弱い私には理解しずらい話を
右の耳からと左の耳から入れられて、
鼻から流すしかなかったのを思い出す。
2回目の接種直後、そんな二人に別れを言う間もなく
地方都市に派遣される事になるのだが、
ワクチンを打つと体に磁石がくっつくから、教えてね、
との陰謀を思い出し、
期待に応えるべく覚えたてのラインで自撮りをし送ってみた。
我がアパートならば水道のマグネット広告にしたかったが、
紙を黒く塗ってマグネットとした。
剃り残しの顎のヒゲは、
吸い寄せられた砂鉄ということにしたが、
クオリティーが低かったのか、返信はなく
3か月間時を共にした知人を同時に失ってしまった。
前置きが長くなった、
と言うわけで、先日埼玉に帰った僅かな余暇を、
3回目のワクチン接種にあてた。
初めてのファイザーは私の体に副反応は出ず
効いているのかわからないが、
これから始まる海外添乗へ向けての準備は整えた。
ワクチンを打っていないあの人も、新世界も良いけれど、
早く世界中行ける、元の世界に戻れる日が来ると良い。


