病院に行くとも知らず、。笑。



密裏に作られたものだった。粒子砲の直径は500m程。しかし問題はその出力だった。大型融合炉12基分の電力を1回に使うのだ。しかし今回は裏目に出てしまった。

もしレーザーだったならオリオンが気づいたときには照射されていただろう。しかし荷電粒子は光より遅い。何故大出力レーザーにしなかったのか・・・。

 

「了解しました。レーザー照射します。」とオリオンは言った。ほんの少しだけレーザーの照射角度を広げて、射線軸に沿って、粒子がやってきた方角へ向けて、オリオンはレーザーを照射した。

光に包まれる巨大荷電粒子戦艦。レーザーを広げていない時よりマシとは言え、急激に船体表面の温度は上がって行く。

 

「敵のレーザー攻撃です。」努めて冷静にオペレータは言った。

「現在位置より緊急離脱。」と艦長。しかし遅い。既に外部を移すカメラは熱によって破壊されスクリーンからのまばゆい光はない。暗くなったスクリーン。既に爆発も起こっているようだった。不気味に聞こえる低い音。そして突然炎に飲み込まれる艦橋。強烈な光の中で爆発して木っ端微塵になる粒子砲戦艦。

 

「敵艦の爆発を確認。テティス外壁の修理も進めています。」とオリオン。既に外壁の修理をロボット達が始めている。

「もしオリオンがいなかったら直撃していたのかい?」ハッデンは言った。

 

「はい。猶予は一秒もありませんでした。許可を得なかったことをお許し下さい。非常事態だったのです。」とオリオンは言った。