「分かった。降伏する。将兵たちの命は保証してくれるんだろうな?」とジョルジョ司令官は言った。この司令官、勝てないと、今悟っただけなのだ。自分の命が惜しいだけ。普通はそんなものなのだろう。取って付けたように兵士の事を口にした。

 

「それはもちろん。地球圏でもそうしたでしょう?あれはフェイク映像でもなんでもないわ。従った者は皆生きている。新しい仕事も与えられるわ。」とアルテミスは言った。

 

     秘密兵器

 

アルテミスが、そう言った時だった。いち早く気づいたオリオンがテティスを移動させた。オリオンが気づいてから1秒にも満たない時間だったが、彼には十分考える時間があった。人で言えば丸1日考える時間があったようなものだ。

 

するとテティスの外壁スレスレの所に巨大な光の柱が現れた。その光の束は数秒間続きテティスの装甲表面を破壊した。

 

「強力な荷電粒子がテティスのすぐ近くを通過しました。申し訳ございません。指示なしにテティスを動かしました。荷電粒子放の攻撃を感知しましたので。」とオリオンは言った。すぐさま荷電粒子が来た方角と予測座標がホログラムに示された。

 

「荷電粒子の発射座標の推定です。攻撃いたしますか?」とオリオン。粒子砲を発射した船との距離は開きがあったが、射線軸ははっきりしていた。

 

「すぐに第二弾を準備しろ。」巨大な粒子加速器、いくつもの大型融合炉がくっついている。その船?構造物の艦長が言った。この戦艦は木星の研究所にも合衆国大統領にも秘