領も議員の3世である。順繰りに権力者達が権力を分けあっているだけ。反対者は何らかの事故で死んでしまう事も増えていた。

 

結局は民主国家の名を借りた富裕層サロンの元老院が支配する体制になってしまっていたのだ。今回は・・・家の誰々が大統領になれば良い、と貴族たちが画策しているだけ。

 

「そんな・・そんなことは出来ない。第一ハッデンは除くとは、どういうことだ?そんな不公平なことは受け入れられない。」と臨時大統領。

 

「まだ分かってらっしゃらない?ではあなたを解任し私が直接してもいいのよ?従わないなら従う人を任命するだけ。それに従う人は居るわ。現政権に不満を持っている人はいくらでもいるのよ。それに、あなたを貧困層に落とすなんて言っていないわ。給料は多少減るけど今までが多すぎたのよ?十分に豊かな生活が出来る額はもらえるのよ?あなたも上位50位に入っているけどね。予想は付いたでしょう?でも最下位の50位でさえ資産1兆2000億タラントも持っているの。果たして一人の人間にそれだけ必要なのかしら?」とアルテミス。

 

「それは・・しかし・・。」と臨時大統領が言いかけたが、「これは命令なのよ。あなたは従うしかない。断るならスラム街に放りだすわ。せっかくの資産も全て没収。それでも良いのかしら?それより、従って今まで通り豊かに暮らしたらいかが?実質的には困らない分が残るのよ?」アルテミスは言った。臨時大統領は例え半分の資産を奪われたところで、数千億タラントが残るのだ。

 

「分かった。しかし保証は?本当に私に・・いや・・我々の資産の半分は残してくれるのか?」と臨時大統領。