「まさか。俺も人間はそんなに好きじゃない。人間が殺し合おうと、どうなろうとなんとも思わないよ。」とリクトは言った。
「良かった。あなた達と仲違いなんてしたくないわ。本当に・・」とアルテミスは言った。
この子供たちも人間なのだ。ただ、人間を超えてしまったところがあり、自分達の事を、普通の人間が受け入れることは不可能だと知っている。それもそうだろう、心を読める上に、手を触れずに脳を破壊できる存在を受け容れるなど簡単ではない。ハッデンやミンチン博士はもしかしたら・・数十億人分の2、の二人なのかもしれない。
オリオン本体のあるハッデンの個人植民島に到着したアルテミス達。
「これから電源を切るよ?覚悟は出来てるかい?」ハッデンは言った。「はい。準備は出来ています。」とオリオン。「電源が無いってことは夢も見ないんだよな?」とリクトは言った。
「そうですね。人間で言えば死んでいる状態と同じでしょう。それと・・私は眠りませんよ?」とオリオン。
「でも電源を入れれば元に戻るんだとしたら、少し違うような?・・人間で言えば、仮死状態がオリオンの電源オフに当たるんじゃない?どうなのかしら・・。でも、有機物の体と違って強くていいわね。酸素も必要ないし、病原体に犯されることもない。」アルテミスは言った。
「そうですね。有機物の体は本当に脆い。私は無機物の体で良かったと思っています。そしてもっと容積を小さくしたいのですが、未だに実現できません」とオリオンは言った。
決定的瞬間笑