ビジネス書を読んで、行動しない人の気持ちが分かった

2021-04-05 10:23:53

テーマ:ブログ


※前半のお知らせにあたる部分はカットしてあります。全文は、直前に投稿している「リブログ」をお読みください。   


さらに、以降の文章も勝手に短くしております。僕自身が後で読み返した時の「時間短縮」のためです。  切り取ったり、表現を変えたりしておりまして   、西野氏の本意とは異なる可能性もありますが、どうかご理解下さい。



1年ほど前に、「鬱(うつ)を潰す方法」というテーマでお話しさせていただいて、そこそこ話題になったんですね。

ザックリ言うと、「気持ちの持ちよう」とかで解決しようとするのではなく、ダイエットでもいいし、万歩計でもいいし、イラストでも、畑仕事でもいいから、とかく、「前に進んでいることが目で確認できるモノを一つ持とう」という話です。

そこに生産性があるかどうかはこの際どうでもよくて、「昨日よりも前に進んでいる」という確認が取れるだけで、精神が安定するんですね。経営者が筋トレにハマる理由って、これが大きいと思います。

これは僕自身も実践していて……僕の仕事というのは、主に「手を働かせる仕事」と「脳を働かせる仕事」があるのですが、ぶっちゃけ「手を働かせる仕事」は体力的には大変でも、気持ち的にはラクなんですよ。

進んでいることが分かるから。

なので絵を描いている時は、精神的には結構穏やかなんですね。

一方で「脳を働かせる仕事」が本当に厄介で、仕事が進んでいるのか、止まっているのか、後退しているのかが、目で確認できないんですね。

たとえば絵本や映画の「ストーリー」を考える仕事が僕にはあるわけですが、丸一日かけて1行も書けない日なんてザラにあるんです。

頭の中では、いろんなパターンを試して、結果、1行も書けていないだけだから、前には進んでいるのかもしれません。

「失敗パターンを潰す」というのは前進なので。

ですが、どこかで「これは前進である」と自分に言い聞かせている部分があって、現実問題、目の前にある文字列は増えていないわけで、やっぱり丸一日書けて1行も書けなかった日とかって死にたくなるんです。死なないですよ。そういう気持ちになる、という話です。

その時に、「前に進んでいることが目で確認できるモノ」を持っていると、「今日は、ストーリーの執筆は進まなかったけど、でも、ココは進んだ」と思えるので、メチャクチャ救われるんです。

それが僕の場合は「サイン本屋さん」だったりするのですが、毎朝、注文を受けて、サインを入れて、梱包して、郵便ポストに投函する…という作業に救われているんです。「ああ、今日は絵本が13冊売れた」と思えることが、すっごい支えになっているんですね。


頭の良い人から言わせれば、キンコン西野の時給を考えた時に、「今日は絵本が13冊売れた」は絶対にマイナスなんです。

そんなことは分かっているんですけど、それに救われているんですね。

「これ、何かに似ているなぁ」と思って探った結果、「ビジネス書を読んで、行動しない人」の精神状態に近いのかなぁと思いました。

ほら、ビジネス書って、だいたい「今すぐ行動しろ」と書かれているじゃないですか?

でも、ほとんどの人が行動しない。

行動した方が成功確度が高くなることは分かっているのですが、行動しないですよね。

「じゃあ、何の為にビジネス書なんて読んでるの?」となるわけですが、きっと、ココだなぁと腹落ちしました。

皆、毎日不安で仕方なくて、精神が常に揺れていて、だから、「昨日よりも進んでいることが目で確認できるモノ」が欲しい。

「読書」がそれで、「俺は、これを読んだ」と思えることで、ちょっと安定するんだろうなぁと思いました。

なので、「読んだのに、行動に移さない」というのは、まったく意味のない行為ではなくて、その瞬間の生産性はないかもしれないけれど、生産する為の基盤は安定させているのだと思います。

「銀行預金」とかも、基本的にはそういう役目なんだろうな、と思います。

「金利0.001%、引き出し手数料は数百円」という今の条件だと、銀行にお金を預けるとお金が減っていくことぐらい、流石に皆、分かっていると思うんですね。

理屈は分かっているんだけど、それよりも、「通帳の数字が目に見えて増えていくことで得られる精神の安定」を選んでいる。

エナジードリンクを買っているようなモノなのかなぁと。

最近、僕、YouTubeの生配信にハマっているんです。

仕事から逃げてダラダラやっちゃうから、「1時間」と決めて、スパチャをやって、相談に応えて、で、その利益は全額絵本の寄付にまわしているんですね。

でも、実際、1時間やって、寄付できる絵本の数って、だいたい20冊ぐらいなんです。

それだったら、その時間を使って、講演会をしたり、仕事のオファーを受けて、その売り上げをまわした方が、たくさん寄付できるのに、「スパチャで相談に応えて、その利益を絵本寄付にまわす」という〝コスパの悪い方法〟を選んでしまっている。

でも、そこで「今の3回分の相談で、絵本を一冊贈れたな」と思えることで、前に進んでいることが目で確認できることで、「今日1日、筆は進まなかったけど、絵本は20冊贈ることができた」とメチャクチャ気持ちが安定している。

以前は、ビジネス書を読んで行動を起こさない人に対して「それだったら本を読んだ意味がないじゃん」と思っていましたが、どう考えたって僕は人のことは言えないし、ビジネス書で「落ち着き」を買っていたことが理解できたので、ちょっと反省しました。

視聴者さんからの相談に応えていくYouTubeの生配信で一番救われているのは僕ですよ、という話でございました。