先日、カウボーイさんという方のご意見を聞き、あることに気が付きました。「ファンは豆知識を求めている」ということです。私にしてみれば豆知識なんて雑学の一種であり、知っていて損はないという程度で舟券を買う上ではクソの役にも立たないと思っていましたが、そうじゃないんですよね。



偉そうにそんなこと言っている私だって、高校生のころには「壁」という意味もわからなかったわけですからね。いつの間にか、自分の中で「常識」を判別してしまっていました。そこの部分は反省します。




壁について。



「インが2コースを壁に逃げる」って言いますよね。最近の解説者はこれを頻繁に言うようになりました。




インの艇は、2コースの選手がスタートを決めることによって逃げやすくなります。2コースがやや前にいることで、3コースより外の選手の攻めを封じてくれるという意味で、この2コースのことを「壁」と呼んでいるわけです。



なんで逃げやすいか?




これは逆を考えたほうがわかりやすいかもしれません。壁がない状態、つまり、2コースがスタートでドカ遅れしたとしましょう。この状態を「裸のイン」と称する記者もいます。こうなると、3コースの選手が攻めやすくなります。隣(2コース)がいない状態で角度のいい捲りができるわけですから。捲りだけではなく、懐をとって捲り差しも決まりやすいのはちょっと想像するだけでわかるでしょう。



「壁があれば逃げやすい」というより、「壁がないと逃げにくい」というほうが的を得ているような気がします。選手じゃないからわかりませんが、おそらくインから行く選手にとって隣の2コースがスタートを行っているのと遅れているのとでは、精神面にも影響を及ぼすんだと思います(2コースが凹んでいる状態は焦りや同様を生みやすいという意味です)。




というわけで、今や「壁」という表現は多くのファンが知っていることですが、それはあくまでセオリーということを今回はちょっと主張してみます。



「壁」が通用するのは主に一般戦で、GI戦ではあまりこのセオリーにとらわれないほうがよいのではないか?と私は思います。最近、「見えないところからの捲り」というやつをよく目にします。




2コース選手がインより早いスタートを行くとします。GIでは基本、2コースは差しです。スタートでよほど先行していない限り、「待って差し」というパターンです。



2コースがやや前にいると、イン艇からは3コースの選手が見えません(推測ですが)。それで油断するのかどうかはわかりませんが、2コースが「待って差し」をしようとしているその時に「3コースからの全速捲り」が結構よく決まるんですよね。




これは「壁」の盲点です。私の先入観かもしれませんが、誰もが「2コースの壁」を語るような番組の時に限って、この「3コース捲り」がよく決まるような気がします。



横道にそれてしまいましたが、私にとって「それは常識」と思えることについて、今後は機会があれば取り上げていこうと、今は思っています(笑)