選出者。
前回の「O」についての別の話。
私はOについて興味をもったため、それとなく調べていた。
すると、これまたKとUの他にOを知る人物で、地方に住むWという男性に行き当たった。
こちらは直接の知り合いではなく、又聞きな部分も多々あるが知ったことについてはほぼ誤りはないと思う。
中途半端な言い方で申し訳ないが。
Wは、UがOと付き合う前にOと付き合っていたらしい。
つまりOの元彼にあたるのだが、別れ方が妙だった。
聞くところによると、Wは「Oが死んだ」と周囲に嘆いていたという。
しかしここで疑問が出てくる。
O=歌手Aとすれば、彼女は多少なりともメディアに出ている人物である。
死んだなら死んだことがわかるはずだし、また死んでいないこともわかる。
Oは、Wには「自分は歌手Aである」ということを伝えていなかったのか?
これは最も単純かつ確率も高い。
ただ、直感ではあるが…
そうではない気がする。
私は何か不穏な空気を感じた。
本当に、Oは、A、なのか?
何者なのだ、Oとは…
とにもかくにも、WはOが死んだと信じ込む。
嘆くWを支えた人物は、Wの親友Nだったそうだ。
Nも、親友の彼女であるOと親しくしており、Wと共にOの死を本気で悼んだ。
しかし実のところ、このNとOも男女の関係だった。
知らないのはWばかりだったが、Oは、二人の男の前から姿を消したのである。
いや、姿を消したというのもおかしな話なのだ。
Oは、「存在していなかった」。
言ってしまえば、Oとは偽名で、探しても見つけようのない人物。
生きてもいなければ死んでもいない人物だった。
KとU、WとN…この親友同士とOの関係から知り得たのは、「Oまでの物理的距離が遠くて、Oについての詳細な確認が難しい」ということと、「Oは、なんか知らんが本命?の傍に二番目を作る」だった。
後者でみれば、Oは友人同士の関係を破壊しているともとれるが、意図的かどうかは定かではない。
前者には意図を感じる。
嘘が簡単にはバレないように、嘘をつく相手を遠くから選出する。
そういう、意図だ。
私はOについて興味をもったため、それとなく調べていた。
すると、これまたKとUの他にOを知る人物で、地方に住むWという男性に行き当たった。
こちらは直接の知り合いではなく、又聞きな部分も多々あるが知ったことについてはほぼ誤りはないと思う。
中途半端な言い方で申し訳ないが。
Wは、UがOと付き合う前にOと付き合っていたらしい。
つまりOの元彼にあたるのだが、別れ方が妙だった。
聞くところによると、Wは「Oが死んだ」と周囲に嘆いていたという。
しかしここで疑問が出てくる。
O=歌手Aとすれば、彼女は多少なりともメディアに出ている人物である。
死んだなら死んだことがわかるはずだし、また死んでいないこともわかる。
Oは、Wには「自分は歌手Aである」ということを伝えていなかったのか?
これは最も単純かつ確率も高い。
ただ、直感ではあるが…
そうではない気がする。
私は何か不穏な空気を感じた。
本当に、Oは、A、なのか?
何者なのだ、Oとは…
とにもかくにも、WはOが死んだと信じ込む。
嘆くWを支えた人物は、Wの親友Nだったそうだ。
Nも、親友の彼女であるOと親しくしており、Wと共にOの死を本気で悼んだ。
しかし実のところ、このNとOも男女の関係だった。
知らないのはWばかりだったが、Oは、二人の男の前から姿を消したのである。
いや、姿を消したというのもおかしな話なのだ。
Oは、「存在していなかった」。
言ってしまえば、Oとは偽名で、探しても見つけようのない人物。
生きてもいなければ死んでもいない人物だった。
KとU、WとN…この親友同士とOの関係から知り得たのは、「Oまでの物理的距離が遠くて、Oについての詳細な確認が難しい」ということと、「Oは、なんか知らんが本命?の傍に二番目を作る」だった。
後者でみれば、Oは友人同士の関係を破壊しているともとれるが、意図的かどうかは定かではない。
前者には意図を感じる。
嘘が簡単にはバレないように、嘘をつく相手を遠くから選出する。
そういう、意図だ。
異様ノ三者。
東京で知り合ったKという友人の友人にUという男がいた。
彼は、地元は本州外れの実家から出られない所謂ヒキコモリで、子供の頃から自殺未遂というパフォーマンスを周囲にしてみせていたらしい。
そのUが唯一、普段の自分を隠しながら自由に活動できる場所がインターネットだった。
チャットというものが珍しくもなくなってきた頃、Uは運命の相手とやらとそのチャットで出会ってしまった。
東京在住のOと名乗る女性はUと親しくなり、「実は自分はAという歌手だ」と打ち明けた。
Uがネット上で調べてみると、Aはそれほど有名人ではないものの雑誌やテレビでも時々取り上げられ一部の熱狂的な男性ファンをもつアキバ系の歌手だった。
親しい友人がKしかいなかったUが、KにAという歌手を知っているかと聞くと、「知っている」という。
だが、歌手AがOであることは自分しか知らない…そう思ったUは選民意識が湧いた。
更にOと親しくなっていったUは、程なくしてOに「あなたのために休みを取るから」とデートに誘われる。
元々、容姿は悪い方ではなかったU。
一念発起しわざわざ東京までデートに行くことにした。
だがヒキコモリ生活が長かったので不安があり、事情を説明してKについて来てもらうことになった。
歌手Aとデートをすることを、暗にKに見せ付けたかったのもある。
実際に会ったOはインターネットなどで見る画像よりも当然だが生々しく、だが申し分なく可愛かった。
スレンダーでUよりも少し小柄ながら女性としては背が高い方。
背中までの長い黒髪、ぱっちりと大きな目なのにどこか中世的な雰囲気をもち、神秘的。
チャットの時よりもオドオドと話すUにも優しく、会話を盛り上げながら3人ともが楽しめる店へ案内したりと気も利いた。
Uは全く役にも立たなかったが、Kが少し離れて見守っていたこともあり安心して東京での1日を過ごせた。
と言うよりも、Uは「Kよりも上に立っている」という優越感があったのだとKは語る。
並べば中々の美男美女、Kはと言うと並の容姿だがUに比べれば劣る。
いい引き立て役なのだ。
より親しくなったUとOはめでたく恋人同士になる。
傍から見てこちらが照れてしまうほどのラブラブぶりだったらしい。
「でもさ、実はOって、Uとチャットやらメールやらしながら俺とも同じことしてたんだよね。…ああ、俺もOのことが好きだったんだよ。
Uは毎回、東京でのデートの時は俺を付き添わせてたんだけど、何も知らないのはUだけだったってワケ。」
私はその言葉を聞いて戦慄した。
Oの二股状態にではなく、二股の相手二人を連れ歩くOと、少し離れながら黙ってついて行くKに。
そして何も気付かず、Kを見下していたUに。
彼は、地元は本州外れの実家から出られない所謂ヒキコモリで、子供の頃から自殺未遂というパフォーマンスを周囲にしてみせていたらしい。
そのUが唯一、普段の自分を隠しながら自由に活動できる場所がインターネットだった。
チャットというものが珍しくもなくなってきた頃、Uは運命の相手とやらとそのチャットで出会ってしまった。
東京在住のOと名乗る女性はUと親しくなり、「実は自分はAという歌手だ」と打ち明けた。
Uがネット上で調べてみると、Aはそれほど有名人ではないものの雑誌やテレビでも時々取り上げられ一部の熱狂的な男性ファンをもつアキバ系の歌手だった。
親しい友人がKしかいなかったUが、KにAという歌手を知っているかと聞くと、「知っている」という。
だが、歌手AがOであることは自分しか知らない…そう思ったUは選民意識が湧いた。
更にOと親しくなっていったUは、程なくしてOに「あなたのために休みを取るから」とデートに誘われる。
元々、容姿は悪い方ではなかったU。
一念発起しわざわざ東京までデートに行くことにした。
だがヒキコモリ生活が長かったので不安があり、事情を説明してKについて来てもらうことになった。
歌手Aとデートをすることを、暗にKに見せ付けたかったのもある。
実際に会ったOはインターネットなどで見る画像よりも当然だが生々しく、だが申し分なく可愛かった。
スレンダーでUよりも少し小柄ながら女性としては背が高い方。
背中までの長い黒髪、ぱっちりと大きな目なのにどこか中世的な雰囲気をもち、神秘的。
チャットの時よりもオドオドと話すUにも優しく、会話を盛り上げながら3人ともが楽しめる店へ案内したりと気も利いた。
Uは全く役にも立たなかったが、Kが少し離れて見守っていたこともあり安心して東京での1日を過ごせた。
と言うよりも、Uは「Kよりも上に立っている」という優越感があったのだとKは語る。
並べば中々の美男美女、Kはと言うと並の容姿だがUに比べれば劣る。
いい引き立て役なのだ。
より親しくなったUとOはめでたく恋人同士になる。
傍から見てこちらが照れてしまうほどのラブラブぶりだったらしい。
「でもさ、実はOって、Uとチャットやらメールやらしながら俺とも同じことしてたんだよね。…ああ、俺もOのことが好きだったんだよ。
Uは毎回、東京でのデートの時は俺を付き添わせてたんだけど、何も知らないのはUだけだったってワケ。」
私はその言葉を聞いて戦慄した。
Oの二股状態にではなく、二股の相手二人を連れ歩くOと、少し離れながら黙ってついて行くKに。
そして何も気付かず、Kを見下していたUに。
岩井志麻子氏作品。
岩井志麻子さんの小説で一番初めに手に取った作品といえば、角川ホラーから出版されている「ぼっけえ、きょうてえ」だった。
元書店員としてみれば結構な有名作品だったこともあるが、その背筋が粟立つ怖い話を読んで魅いられ、更には感じ入るものがあり、以来は岩井本(ヒワイ本ではない)を買い漁っている。
今も「あの女」に続き「現代百物語」三冊目を読んでいる最中だ。
私は相当なアホで数ヶ月前まで気付いてすらいなかったが、実は岩井志麻子さんが文章におこしている体験と似たような話を知っていた。
おこがましいことではあるけれど、岩井さんの書き方(文章そのものではない)と同じように、それらの話を「虚実世界。」テーマの括りとして書いていこうと思う。
これまで何度となく書こうとしてきたものの、叶えられてはいなかった。
理由としては登場させる人物…また周囲の人々に何かしらの実害が出るようなことは避けたかった。
…というのは名目で、自分と大事な人たちに実害が出ないように書く方法が思いつかなかったということである。
それが、見えない何者かに邪魔をされていたのではないことを切に願う。
ただ、現時点でもその何者かがこれを見ているだろうことは、確かなのだ。
元書店員としてみれば結構な有名作品だったこともあるが、その背筋が粟立つ怖い話を読んで魅いられ、更には感じ入るものがあり、以来は岩井本(ヒワイ本ではない)を買い漁っている。
今も「あの女」に続き「現代百物語」三冊目を読んでいる最中だ。
私は相当なアホで数ヶ月前まで気付いてすらいなかったが、実は岩井志麻子さんが文章におこしている体験と似たような話を知っていた。
おこがましいことではあるけれど、岩井さんの書き方(文章そのものではない)と同じように、それらの話を「虚実世界。」テーマの括りとして書いていこうと思う。
これまで何度となく書こうとしてきたものの、叶えられてはいなかった。
理由としては登場させる人物…また周囲の人々に何かしらの実害が出るようなことは避けたかった。
…というのは名目で、自分と大事な人たちに実害が出ないように書く方法が思いつかなかったということである。
それが、見えない何者かに邪魔をされていたのではないことを切に願う。
ただ、現時点でもその何者かがこれを見ているだろうことは、確かなのだ。
トップ変えました。
さてお久しぶりついでに…

トップ変えてみました。笑
何かスマホからだと記事編集が変になるわ~。
こんな画像と一緒に話題に入れて申し訳ない限りですが…
実は、うちのみーちゃんが死んで一ヶ月後、もーたも亡くなりました。
みーの場合は準備ができていた感じでしたが、もーたは突然で、異変が起きてたったの3日でした。
4コマ日記として始めたブログなのでできればまんがでお伝えしたいのですが、無理でしたのでさらっとだけ。
…
と、もう一つ。
こちらは良い?お話。
4月から晴さんと、両家族同意のもと、一緒に暮らすことになりました。
またまた引っ越し!!
仕事は辞めません!!!
3月末、大きいイベントを仕事で控えておりまして、そちらがおわったらすぐ引っ越し。
昨年9月からずーーっと準備してきたイベント。
多忙で軽く鬱ですが…何とか持ちこたえたいです。

トップ変えてみました。笑
何かスマホからだと記事編集が変になるわ~。
こんな画像と一緒に話題に入れて申し訳ない限りですが…
実は、うちのみーちゃんが死んで一ヶ月後、もーたも亡くなりました。
みーの場合は準備ができていた感じでしたが、もーたは突然で、異変が起きてたったの3日でした。
4コマ日記として始めたブログなのでできればまんがでお伝えしたいのですが、無理でしたのでさらっとだけ。
…
と、もう一つ。
こちらは良い?お話。
4月から晴さんと、両家族同意のもと、一緒に暮らすことになりました。
またまた引っ越し!!
仕事は辞めません!!!
3月末、大きいイベントを仕事で控えておりまして、そちらがおわったらすぐ引っ越し。
昨年9月からずーーっと準備してきたイベント。
多忙で軽く鬱ですが…何とか持ちこたえたいです。
未だ帰れず。
随分とお久しぶりです。
皆様、書いておられるように、震災から1年が経ちました。
私は未だに、第二の故郷に帰れずにいます。
いわき。
海で遊び、波の音と音楽を楽しみ、海岸の結婚式場で幸せなカップルを送り出しました。
怖いんです。
未だに、連絡を取るような間柄ではない、でもお世話になった人たちが誰かしらもしや…と思ってしまうと。
色んなことを言い訳にして、いわきに行かずにおります。
震災前は、よくセッション大会と称して仲間で夜通しジャズやらブルースやらやりました。
仲間と疎遠になった訳ではありません。
実家がいわきの皆はたまに帰っています。
そりゃあそうですが。
以前は理由なくとも行けた。
マスター元気かな?
駅前だいぶ変わったって!
大学寄って部室に顔出そう。
今は、「何のために行くの?」と思ってしまう。
誰かを悼むため?
ボランティアするため?
様変わりした地を確かめるため?
思い出を掘り起こすために?
分からないです。
何だかよく分からない。
頭でばかり考えてしまって、本当は、何もできなかった…この先も何もできないだろうことを実感するのが嫌なだけなのかもしれません。
でも、それにしても楽しく明るい、青い海のイメージしか残っていないのに。
被災された方々に幸せが訪れ、
亡くなられた方々と動物たちが安らかに眠れますように。
皆様、書いておられるように、震災から1年が経ちました。
私は未だに、第二の故郷に帰れずにいます。
いわき。
海で遊び、波の音と音楽を楽しみ、海岸の結婚式場で幸せなカップルを送り出しました。
怖いんです。
未だに、連絡を取るような間柄ではない、でもお世話になった人たちが誰かしらもしや…と思ってしまうと。
色んなことを言い訳にして、いわきに行かずにおります。
震災前は、よくセッション大会と称して仲間で夜通しジャズやらブルースやらやりました。
仲間と疎遠になった訳ではありません。
実家がいわきの皆はたまに帰っています。
そりゃあそうですが。
以前は理由なくとも行けた。
マスター元気かな?
駅前だいぶ変わったって!
大学寄って部室に顔出そう。
今は、「何のために行くの?」と思ってしまう。
誰かを悼むため?
ボランティアするため?
様変わりした地を確かめるため?
思い出を掘り起こすために?
分からないです。
何だかよく分からない。
頭でばかり考えてしまって、本当は、何もできなかった…この先も何もできないだろうことを実感するのが嫌なだけなのかもしれません。
でも、それにしても楽しく明るい、青い海のイメージしか残っていないのに。
被災された方々に幸せが訪れ、
亡くなられた方々と動物たちが安らかに眠れますように。