今日はドントブリーズというホラー映画を観てきました。ここ数年ホラー映画の良さにどっぷりハマっていたのですが中々劇場にホラー映画を観に行く機会がなく初めて劇場でのホラー鑑賞になりました。
今回はその内容も含め感想なんかを書いていこうと思います。
⚠︎ネタバレあります。
物語はまず1人の老人が女性の頭を掴みながら道路の上を引きずって歩いているシーンから始まります。
ー この段階で今回の話の恐怖がこの老人を中心に描かれるのだと一瞬で理解できる描写でした。また、その道路もひび割れていたり長い間手入れがされていないことから寂れた町での出来事だということも分かり、直接的な恐怖(奇妙な老人)間接的な恐怖(=環境)の両方を描写した場面で初っぱなからのめり込みました。
また、先程述べたようにこの老人こそが今回の物語の主役で、元軍人で戦争で視力を失ったという設定で、引きずられている女性は今回のヒロインということで後々の伏線となっておりわずかな時間ですがこの映画の異常さを観る人に植え付けるようなシーンでした。
さて、話はアメリカを舞台に窃盗を繰り返す3人の男女の様子を描いたものです。1人は黒人で腕っ節があり、時に大胆な行動を取る青年。2人目は窃盗に加担するものの、危険なリスクは負わない先程の青年とはまったく違う性格をもつ青年。そして、ヒロインは家庭に問題をもち、窃盗で得たお金を元手に家を出たいという願いをもった人物です。
ー アメリカのホラー映画お得意の人物構成です。この時点で「あー、この黒人のやつは最初にやられちゃうんだな」とか思ってしまったり…。ヒロインが健気な性格をしておりとてもよかったです。
3人はある盲目の老人の家に盗みに入る計画を立てます。その老人は昔に娘を事故で亡くししまい、挙句に示談金で犯人の罪を帳消しにされてしまったのです。つまり3人はその示談金を狙って盗みを働こうとしたわけです。
ー ここでやはり定番な敵の暗い過去が示されています。ただし、今回の作品中にはなぜこの老人の狂気を生み出してしまったのかが描かれなかったのが少し残念。戦争体験が彼の心を変えたのか、娘を失った悲しみか、それとも示談金などの不当な扱いがそうさせたのか、それはわかりません。
さて、盗みを働く夜。3人は家に入ります。寂れた町の中でその家の周りは全て空き家。盗みが他の人々に知られる心配はありません。
ー ここ!こういうシュチュエーション大好きです。一見、強盗を働く側に有利に見えるこの状況ですが、この後の話を考えると…盲目の老人にいくら襲われても、いくら助けを求めても、周りに助けてくれる人はいないわけです。周りの町は盲目どころか、耳ももたず、流れる血の匂いにも気づかない。この主人公たちは何も知らずに墓穴を掘っているわけです。こういった空間的密室からくる間接的な恐怖が映画の経過と見る視点によって変わるのはとてもおもしろい部分であり、本作の特徴だと思います。
家に侵入した3人。そしてそれに気づく老人。窃盗団を前に白く濁った盲目の目が右を左を何かを探すように動いています。
そこからは老人の軍隊仕込みの格闘や、音のなった方にすぐさま性格な銃弾を打ち込んだり、地の利を活かした老人の圧倒的かつ驚異的な力に3人は成すすべもありません。
ー この老人は別に幽霊のような存在ではないのです。普通にしていれば普通の人です。ですが、目が見えないはずなのに、やたら整理されている工具、綺麗に整頓された部屋。それなのに床は軋み、二階はとても薄暗い。そして大きな錠前のついた地下室への扉。この家そのものが老人の狂人的な側面を表しているように思えます。
ヒロインたちは地下室へ逃げ込みますがそこで見たのは驚愕の事実、そして後のヒロインの運命が暗示されています。
ー ここは話の内容面が多いのであまりにもネタバレしてしまうためやめておきます。ただ作中もっとも不快な出来事がこの地下室にあるとだけ言っておきます。
最後ヒロインは老人を地下室の床に叩きつけて動かなくなった老人を確認し逃げ延びるのです。また手に入れたお金ををつかって妹とともに空港からカリフォルニアへと旅立とうとしていました。
そのとき、ニュースにあの老人が一命をとりとめたという内容が、画面には老人の白濁した目がヒロインを見つめるように写っていました。
ー 一緒に行った友人は助かったしハッピーエンドだねと言っていたのですが僕はそう思いませんでした。
というのも、老人は助かった。あの狂った老人が。おそらくヒロインの頭には「いつか来るかもしれない」という考えが浮かんだのではないでしょうか。それと同時に「来れるわけない。なんせ相手は老人な上に盲目なんだから」そう考えて自分を落ち着かせるでしょう。
でもきっとこの不安は一生終わることはないでしょう。きっと彼女はその「万が一」に恐怖を感じながら、仲間が殺されていくシーンを何度も思い出しながら生きていかなければならないのです。いわゆるトラウマというやつですがトラウマという一言で片付けられないでしょう。だから私はバッドエンドだと思うのです。
長くなりましたがこんなところです。非常に面白かった。正統派なアメリカのホラー映画ながらも斬新なコンセプトで魅了されました。
ちなみに今日家に帰って電化製品使いまくってたらブレーカーが落ちて真っ暗に…。まさに今後ろにあの老人がいるかもしれないという擬似恐怖体験をすることができました笑
皆さんもぜひ見て見てください。