昨晩の米国ダウ平均株価は大幅反発。

前日終値比２２５．４８ドル高の１万７４１６．８５ドル。

前日に引き続きＦＯＭＣで示された利上げについての思惑は重石になったものの、予想を上回る企業業績の好結果がメインドライバーになりました。

去年のうちから、今年は金融相場から業績相場になるのでは？という話がありました。

昨晩に限った場合は、それを裏付ける結果になりました。

自動車大手フォード・モーターや高級革製品大手コーチ、化学大手ダウ・ケミカルなどの２０１４年第４四半期決算がいずれも良好。

（一方で、中国アリババが総収入が市場予想を下回って８．７８％安に沈んだりしてもいます）

米防衛大手ノースロップ・グラマンの決算は、純利益が５億０６００万ドルに増加、売上高は微減の６１億１０００万ドル。１株利益は２．４８ドル。受注残高は３％増加。

売上高と１株利益は、アナリスト予想の平均値を上回りました。

米国の国防予算の削減が続き防衛産業には逆風が吹く中で、同社は海外市場により軸足を置く方針が業績に貢しているようです。

「われわれの足跡は拡大し続けている。無人機や有人機、電子機器、サイバー関連、維持管理業務などへの需要は伸びている」

ウェズリー・ブッシュＣＥＯ　

グラマンと言えば、ゼロ戦と激闘を繰り広げた米海軍機の名門メーカー。

時代の変化は激しいですね。

ノースロップ・グラマン株価　日足　（単位はUSD）　

秋から上昇傾向。

200日移動平均は約１３０ドルですから、現値はそこから約２８ドル高いことになります。

株価が高いのは結構なお話ですが、これがウクライナ情勢やいわゆる「イスラム国」関連の反映であったら、素直に歓迎できない話です。

さて、このような企業業績の好結果でダウは反発。

ダウ平均　日足　

5日・25日移動平均線　

ボリンジャーバンド（2σ、3σ）　

一目均衡表　

MACD　

RSI相対力指数　

前日の急落は、ボリンジャーバンドの－２σ（ｼｸﾞﾏ）下限でサポート。

昨晩もこのサポートは有効で、そこから反発、前日のＦＯＭＣでの下落分を完全に奪還しました。

前日の安値更新で三角保ち合いブレイクと思えたのに、そこから反発に転じたとは、やはり今年のダウは金融相場よりも業績相場か？　

このダウ大幅反発を受けて、日経平均株価は高寄り付き。

１８２円５２銭高の１万７７８８円７４銭でオープン。

昨日にストップ安に沈み、大いに話題になった経営破綻したスカイマークの株は、現在取引休止中。

ただし日経平均は高値圏ということで利食い売りを誘いやすく、そして週末ということで伸び悩んでいます。

前場は、１１１円１０銭高の１万７７１７円３２銭で終了。

１０６円６２銭高の１万７７１２円８４銭で後場が再オープン。

日本も企業決算のピークに差し掛かっていますので、それを見極めたいという思惑もあるようです。

株の伸び悩みで、ドル／円も上値が重い展開。

１１８円割れ水準。

日経225　

ドル／円　１５分足　

短期スパンでは頭が重い日経平均ですが、前述の通り１万８０００円後略も射程距離内の高値圏です。

日経225　日足　

5日・25日移動平均線　

ボリンジャーバンド（2σ、3σ）　

一目均衡表　

MACD　

RSI相対力指数　

パッと見た限りでも、今年に入っての動きは米ダウより力強い。

１月２３日に、ギリシャ総選挙を控える悪環境の中でありながら、一目均衡表の雲の上限を抜け出し、移動平均線でもゴールデンクロス。

今日の足は５日線がサポート。

さて、このように株が好調になってくるとキビしいのが安全資産・ゴールド。

ドル建て金　日足　

5日・25日移動平均線　

ボリンジャーバンド（2σ、3σ）　

一目均衡表　

MACD　

RSI相対力指数　

ギリシャ総選挙というビックイベント通過後は、５日移動平均線に頭を抑えられる動きが続いていましたが、昨晩はズドンと下落。

１月１５日以来の安値。

１月１５日、そう、スイス・フラン・ショックの日です。

昨晩の下落によって、ＭＡＣＤ（ﾏｯｸﾃﾞｨｰ）ではデッド・クロスが点灯。

ダウン・トレンド入りか？！　

ただしギリシャの件は混迷しています。

「ギリシャは欧州にとって危険な存在ではないが、解決すべき問題を提示している」

ギリシャのチプラス新首相　

「欧州もギリシャにとって危険な存在ではないが、解決すべき難題は提示している」

ＥＵのユンケル欧州委員長

電話会談で、文字通りの「売り言葉に買い言葉」

「ユーロ圏の国々がギリシャの債務帳消しを受け入れることはない。２５日の選挙を経て全く新しい世界が誕生したなどと考えるのはお門違いだ」　

ユンケル欧州委員長は、記者会見で「債務帳消しは論外だ」と吠えています。

ギリシャ国債は売られ、１０年物利回りは一時１１．３％程度まで上昇。１１％台は２０１３年７月以来約１年半ぶり。

巻き添えでイタリア、スペイン、ポルトガルの国債の利回りが上昇（＝価格下落）。

その一方で、安全資産と見られるドイツ連邦債は買われて、利回りが低下しています。

１０年物の利回りで０．３５％　

ドイツ債が買われる環境であれば、ゴールドが買われる素地は残っているとも思えますが・・・

そして、株価上昇の一因に、原油価格の反発が挙げられています。

ロンドン北海ブレント原油は０．６６ドル高の４９．１３ドル、

ニューヨークのＷＴ原油は０．０８ドル高の４４．５３ドルで終了。

ただし・・・

NY原油（WTI）　日足　

5日・25日移動平均線　

ボリンジャーバンド（2σ、3σ）　

一目均衡表　

MACD　

RSI相対力指数　

終値ベースでは反発と言えども、ＷＴＩは立会中に４３．５８ドルまで下落し、安値更新。

前日の在庫統計での、原油在庫大幅積み増しが蒸し返されました。

この反発も、ショートカバー（売りポジションの買い戻し決済）が要因だったようです。

原油ＶＩＸ（ボラティリティ指数、恐怖指数）も、５４．６９ポイント、前日比－０．４９ポイントと小幅な低下に留まっています。

それよりなにより、チャートを一瞥すれば昨晩の反発は「焼け石に水」なのは瞭然。

原油価格の本格的反発はいったいいつになるでしょうか？

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