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 有明の  つれなく見えし 別れより
   暁ばかり  憂きものはなし


有明の月がとても素っ気なく見えたあの別れの日以来、私は夜明け前のまだ薄暗い時間が、とても辛くかんじられるのです。

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何かの理由で、一部の人を切り捨てなければならない、という辛い決断は、役職にある人であれば必ず経験することです。
それにより、確実に道が開けると分かっていても、後味の悪さは心に残るものです。
それは簡単に消えるものではありません。
場合によっては夢見が悪いくらい心が苛まれることもあるでしょうまさにこの歌でいう「憂きもの」として、心の中に暗い影を落とし続けるのです。
そのように考えると、定家がこの歌に込めたメッセージを紐解くことができます。
見かけ上は恋を詠いながら、「どれほど辛く悲しい憂いがあろうとも、男ならそれをグッとこらえ、腹に納めて生きていかねばならない」という心情が汲み取れます。