*Sweet Candy* -2ページ目

持て余す生徒会 part1

「自分の持っている力は、最大限に発揮するべきなのよ!」
 
 会長はいつものように小さな胸を張ってなにかの本の受け売りを偉そうに語っていた。

 こういうのはいつものことなので、適当に質問をしておく。 

「自分の持っている力っていうのは……例えば何ですか?」
  
 よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに会長は答えた。

「そうね。例えば…皆をしっかりまとめる生徒会長の私の力!」

『…………』

 全員が黙り込む。会長はある意味、皆をまとめているけど。

「ふふ、私の力に圧倒されているのね!」

 知弦さんは嘆息しながら、眼鏡をかけた。

「そうよ、圧倒されたわ。アカちゃんには……」

 頭を抱え、必死に会長の持っている力を探す知弦さん。

 何故そこまで頑張れるのか、疑問ですが。

「知弦ったら、たくさんありすぎて困っているみたいだね……いいよ、ゆっくり考えて!」

「ええ……そ、そうするわね……」

 すると、額に汗をかいている知弦さんが俺にアイコンタクトをしてきた。

「(ちょっと、キー君)」

「(何ですか知弦さん)」

「(悪いけど…ここはキー君に任せるわ)」

「(任せられても困りますよ!)」

「(元はと言えば、キー君が例えを聞いたんだし)」

「(う、それもそうですね……)」

 というわけで、俺は考える。

 会長の持っている力……ううむ。
 
 やっぱり、可愛さだよな。

「会長!」

「な、何よ」

 唐突な呼びかけに驚く会長に向かって、俺は宣言した!

「会長の持っている力は……萌え力です!」

『……は?』

 見事なまでに息ぴったしだった。

「ふぅ……また始まったぜ、鍵の暴走が」

「そうですよ、杉崎先輩。いい加減にしてくださいです」

 さっきまで、それそれの趣味に没頭していた椎名姉妹が、ジトッとした目で見つめてきた。

 なんだよぅ。皆だって思いついてなかったくせに……。

「もう、まったく!杉崎はいつもこうなんだからっ」

「まぁまぁ、アカちゃん。そんなに責めないであげて。キー君だって、一生懸命考えたのよ?」

 会長に微笑みかける知弦さん。 

「う……わかったわよ~」

 知弦さんがフォローを入れてくれたおかげで、なんとか会長は静かになった。

 ああ、知弦さんだけは……

「でも、だからと言って『萌え力』はないわね。残念だわ、キー君」

 ガーン。さっきの天使の言葉は何だったんだ。
 
 やっぱり知弦さんは、俺にとって悪魔なんですね……
 
 俺が再び落ち込んでいると、深夏が話に乗っかってくる。

「そうだぜ、鍵。『萌え力』なんて軟弱な力じゃなくて、『燃え力』だろっ!」




                     ***


part2へつづく

初めに

おはよう

こんにちは

こんばんは

おやすみ

久しぶり

初めまして

椎平 奏です。


このブログは椎平 奏の2つ目のブログです。

1つ目のブログ→http://siirakanade.blog.fc2.com/

↑良かったら見て行ってね!




内容は主に自作小説、二次小説など。

ブログ更新率は低いです。




そんなこんなで

このブログを見てくれたアナタには

プレゼントが!!


…というわけにもいかないので

私から感謝の言葉を。






「見に来てくれてありがとうございまます!また来てね!」





読者登録してね