大局観



私は以前、システムエンジニアをやっていた。

日本には、都銀、地銀、信用金庫、信用組合、農協、そしてゆうちょ銀行と
金融機関がある。

それぞれの金融機関は、独自のコンピュータネットワークでつながっているが、

他の金融機関とはコンピュータネットワークはつながっていなかった。

私は、金融機関同士をつなぐため、電文や取引を変換するコンピュータシステムを
作っていた。

ある日、取引量が以上に多い日があり、コンピュータが止まってしまった。

そこで、チューニングを施したところ、今度は他のネットワークのコンピュータが
止まってしまったのである。

別々の金融機関を俯瞰し、大局観をもって、コンピュータネットワーク全体を
見る事ができていなかったのである。


「利益を増やしたい!」

そう考えたとき、大局観をもって戦略を考えないと失敗する。

利益を増やすためには、

売り上げを増やすのか?

コストを下げるのか?

を考えなければならない。

売り上げを増やすのなら、ボトムネックを考える必要がある。

広告宣伝?

営業マンを増やす?

営業マンのスキルを上げる?

商品を選びずらい?

商品が買いずらい?

買った後のアフターフォロー?

顧客への再販売の仕組みは?

そもそも、マーケットから求められている商品なのか?

などなど、大局観を持って見なければならない。


大局観のない社員は、自分の目の前の業務をこなす事に集中する。

もちろん、目の前の業務に集中するのは悪いことではない。

ようはタイミングなのだ。

戦略を立て、戦術へと落とし込み、

「よし!やるぞ!」

と、業務に集中するのなら良いのである。