英訳には関係ないのですが、前からずっと書きたかったことがあります。それは、レギュラーメンバーでない、いわゆるBチームの選手の貢献です。それがとてもよく描かれたていたのは、春高2回戦の稲荷崎戦です。
勝敗を分ける第3セットでピンチサーバーとして投入された木下は、自分のサーブで相手を崩すことができず、あっさり退場。「1瞬だけでもヒーローになれる」ことを夢見ていた自分が「勘違いしていた」のだ、と涙を流します。
しかし、その後です。稲荷崎のセッター、宮侑(みやあつむ)のジャンプフローターサーブにさんざん悩まされてきたリベロ西宮に「前!*」と声をかけ、そのおかげで西宮は無事にオーバーハンドでレシーブをすることができ、烏野の得点、そして侑のサーブを一本で切ることに成功します。*レシーバーの前にストンとボールが落ちやすいジャンフロを受けるときは、一歩前に出てオーバーハンドで受ける方が受けやすい。
この場面、アニメでは短くされていて非常に残念でした。コミックの方を読むと、木下は毎日夜遅くまで、ジャンプフローターサーブを苦手なオーバーハンドで受ける練習をする西宮の相手をしてあげていたのです。木下も相当頑張ってジャンフロの練習をしていたであろうことは、山口の「最近木下さんのジャンフロの精度が上がっている」という旨のセリフから推測されます。
コミックでは、このようにこの二人の地道な練習がしっかりと書いてあるからこそ、下の2枚目のページの西宮の指差しが生きてきます。「俺がこのレシーブを成功させたのは、木下、お前のお陰だ!」とこの指が語っています。そしてノヤっさんはその指をぐっと握ってガッツポーズ。それを見た木下もガッツポーズで応えます。高校時代はプレーヤーではなく、マネージャーとしてBチームの選手たちの苦労を目の当たりにしてきた私としては、この場面は、ハイキュー!!の中でも最も感動した場面の一つです。
アニメですと、地道な練習風景が割愛されているため、コミックを読んでいない人にはこの指差しの意味および意義(大切なんですよ!!!)が分からないと思います。しつこいようですが、非常に残念です。