アフリカの南部マラウィで仕事を始めてもうすぐ2年になります。アフリカで長期赴任をするのが初めてでしたが、今では、アフリカの可能性や不確実性を理解出来るようになっています。
しかし、現実のアフリカは私の感じる限りでは、『現状維持』が精一杯な状況です。特に、開発援助の理論構成や実務での新しいアプローチはどん詰まりだというのが私の認識です。
10数年前は『参加型開発アプローチ』が援助のメインストリームに躍り出て、一躍ブームになったものです。今では参加型開発は援助の基本となり、実務家の間でもその認識はある程度一定しています。
その一方で、経済成長を伴った開発、つまり所得創出を伴った、実効性のある開発援助に関して実務家は暗中模索の状況が続いています。私も、マラウィで村落開発の仕事を始めて2年が経ちますが、例えば、安全な水、トイレ、食の安全保障などのベーシックヒューマンニーズに関する、つまりは貧困国を下支えする援助に関してはある程度のノウハウを持ち得ていますが、それに加えて日本の道の駅や一村一品などを通した所得創出、そして雇用を通した所得創出に関する実務的な理論構成は弱いというより、確立され実務に役立つ論理構成とアプローチが見つかりません。
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脳科学者の茂木健一郎氏は、創造性は前頭葉の意欲と側頭葉の経験のかけ算であり、考え続けることで脳は成長するそうです。そしいて脳の学習はオープンエンドで終わりのない旅だそうです。そして考え続け、探し続ける過程はとても苦しいけれどその苦しさを経てひらめきにたどり着いたときほど脳が喜ぶことはなく、創造性は無からは生まれない。つまり、今まで先人が築き上げてきた普遍性を土台にして新しい論理や実務的なアプローチが生まれます。
今年はマラウィでの仕事をもう少し論理的に組み立てて行けたらと思うのでした。