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インテルメッツォ日記〜その後

京王線仙川にあった小さなオーセンティックバーの元マスターが振り返るちょっと粋な日々

当店10年の歴史の中で伝説の女性スタッフが2人いる。ひとりは落合さまで、もうひとりが赤川ちゃん。


まずは落合。落合はフットサルが好きな性格もサッパリした体育会系だけど、とにかく見た目が凄い美人でおまけにお嬢さま。だから常連さんからは敬意を込めて「落合さまサンダル」と呼ばれていた。女性客からは「落合」なんてフランクに呼ばれてたけど


落合と赤川ちゃんがいる時は凄く忙しく、随分仕事を無理強いもしたが、ふたりとも嫌な顔ひとつせず楽しそうに仕事をしていた。ふたりともタイプは違えど、とても優しく、恐ろしく性格の良い女性だった。


落合はある超有名ピアニストの結婚3次会を当店でやる時の出勤時間が夜中の1時になってしまい、さらにそれが遅れてスタートが午前3時になった時もいつも通りひょうひょうと働いてくれたし、泥酔客を送り届けた明け方まで店番してもらったこともあった。


落合とは仕事上の些細なことで些細な喧嘩をして怒らせたことがあって、当時ちゃんと謝らなかったのは今でも心残りとびだすピスケ140のオヤジも少しずつ成長する。それは優秀な落合も結婚して子供が生まれて分かってくれているのではと甘い期待を抱いたりなんかしている(^_^;。


赤川ちゃんは美人の落合とは正反対の超キュートなケーキ職人だったショートケーキ。とにかく誰がどこから見ても外見も内面も可愛いかった。ケーキ職人の朝は早いのに酒好きが高じて、お客さんからスタッフになってしまった。


赤川が勤めてからというもの赤川ちゃんとお話ししたさに若い男性客が随分増えたゲロー。それでも女性からも同じくらい好かれていたから、店全体が気持ち悪い空気にはならずに済んだのは幸いだった(笑)。

これも赤川マジックっすねグッ(笑)。いつも笑顔で優しくて皆んなの人気者。

でもたまに分かりやすく沈むことがあってぼけー、そこがまた人間的で良かった。


店を整理していたら、昔、赤川が誤って営業中に消火器から噴射させた消化剤が棚の裏に残っていた。

次の日が大事なライブだったので朝早いのに朝方まで掃除したのが懐かしい。

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ふたりともただただ可愛くてモテるだけの女性ではなかった。人の気持ちがわかり機転の利く素晴らしいスタッフだったことも付け加えておきたい。


ふたりとも現在は幸せな結婚生活を送っているため、写真は割愛です。ここまで引っ張っといて残念〜っバレエ


神と書いてジンと読む。

神がここで働いていたのは「六の王者」慶応大学の学生時代だった。

長野出身で、僕と同じく陸上競技をやっていて、よく20キロくらいのランニングをしていた。

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学生時代、僕は短距離~中距離走者だった。だから長距離ランナーの忍耐力にはいつも脱帽していた。


高校時代、頭数が足りなく、高校駅伝の走者として長距離チームの練習に加わったことがある。その時はもう死ぬかと(笑)。オレはこのドM野郎の集団に殺されるんじゃないかと思いながら必死で食らいついた覚えがある。

だからマラソンランナーというだけで今だに「こいつは凄いに違いない」と思ってしまう。


神はいかにも長距離ランナーのタイプだ。

本当に不器用なんだけど、コツコツコツコツコツコツ真面目に続ける継続力がある。

気がつけばちゃんとゴールしているし…。

僕は神からいろんなことを学ばせてもらった。


今、神は投資銀行で働いている。睡眠時間2.3時間の激務にもかかわらず、案外淡々としている。


ここをはなれても神は神だなと思う。


ひとつひとつ ものを片付け、ひとつずつ電源を落とす。

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虚しい儀式。


10年間一度も電気を落としてないカウンター下左側のショーケース。


店主が入院してる時でも働き続けた。


もうこの辺で


10年間ありがとう。


29日は当店の備品等をタダ同然で売るフリマを開催馬

お気楽に片づけながらやろう、なんて遅刻して行ったらかたつむり、午前11時の開店前から10人くらい店の前に人だかりが出来ていてぶったまげましたポーン

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午前中でほとんどの物がなくなりましたおばけ

多くの方は思い出に何か欲しいということでご来店されたようで、それもまたありがたい気持ちで胸が熱くなりました。

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午後は百貨店時代の仲間4人が手伝いに来てくれましたが、売るものもなく後片付けをしてもらいました。彼らの友情には感謝、感謝ですカナヘイハート

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ひと段落して8時くらいからやっと飲み会ビール

いい仲間に恵まれた僕の会社生活は今振り返るととても幸せだったと改めて思いましたてへぺろうさぎ

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小宮山と同時期、池田という男がアルバイトスタッフとして働いていた。

当時は明大の学生。同郷で意気投合して働いてもらうことになった。

自称野球小僧。不器用でクソ真面目でちょっと頑固で、人懐っこくて全然憎めない男。

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池田はあの名門校、函館ラ・サール出身。


実はこの学校にまつわる奇跡が当店で起こった。


池田が勤めて間もなくhさんという方がやってきて、話をしていくとラ・サールの卒業生だということが判明した。

それから数ヶ月してoさんというお客さまが来店。実はoさんもラ・サールの卒業生で、なんとhさんの同級生だったのだ。


函館という北海道の地方都市の一私立高校の出身者が3人もこの東京郊外の小さなバーに会した奇跡。


縁とは不思議なものですね。


池田は今製薬会社のサラリーマン。

猪突猛進だけど、きっと周りに好かれて仕事をしているに違いない。



今までお手伝いしてくれたスタッフのことを少し書こうと思う。まず第一号の小宮山。

小宮山は10年前、開店して3日目くらいで当店の狭い階段を転げ落ちるようにやって来て「私を雇ってくださいっ!」と、いきなり「飛び込み営業」してきた女野武士(笑)。

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開店間もないころだから人を雇うつもりもなく一旦は断ったものの、ゴールデンウィーク前に忙しくなり即採用することになった。


小宮山が働いてなければ以後こんなに演劇をやる人たちが集わなかったし、桐朋短大との繋がりもなかったかもしれない。

基本女酒豪だけど、人一倍当店に対する愛着を持ってくれたひとりでもある。


以降10年、当店には途切れることなくやってきてはお客さまを紹介してくれたり、どこかへ行ったと言ってはお土産を買ってきてくれたりと、ずっと付き合いは続いている。


小宮山が来店すると大抵つまらないオヤジギャグで時間を浪費する(笑)。小宮山に閉店の話をする時も例外なくそうで、それが災いして帰り際に閉店の話をすることになって、そうしたら「くだらない話ばっかりしてないでもっと早く言いなさいよー」とさすがに怒られた(笑)。

多分今回の閉店は小宮山にとっても相当なショックだったと勝手に思っている。


今は戦友をまたひとり失くした気分である。


※余談だけど小宮山のお父さんは多摩美で教鞭を執っていて、同じく今年「飛び込み営業」してきた最後のスタッフ、フシギちゃんは小宮山のお父さんの授業を取っている。10年目にして不思議なご縁です。

※意外と本人と写真を撮っていなかったので近所の風景写真でご勘弁ください。


大学5年生の時から、スタッフで働いてくれたまっちゃん。今はとある病院で研修医として勤務しています。

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イケメンでしょカナヘイきらきら性格も大変良く、それでいて男気もあって。だからモテない訳はなく

いいなぁ僕もあと25歳若ければてへぺろうさぎ(オマエは違うだろ!ボケ!というその手のツッコミありがとうございますサッ)。

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とにかくカクテル作りが好きで、国家試験直前まで当店に勤めてくれた功労者です。

今回も忙しい中、全く無償で手伝ってくれました。まっちゃんには感謝してもしきれません。


今度まっちゃんの住む街まで皆んなで押しかけ夜の中華街を食い倒れる予定です気合いピスケ

楽しみだなぁラブ

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この男(24歳)、初めて来店した時、やさぐれまくり、上司がアホだとか、会社はクソだとか言って散々荒れまくり、夜中に泥酔して帰って行ったゲロー


こういう男は会社では意外と大人しく我慢して夜の酒場で爆発するタイプが多いのだが、この男の場合に限っては絶対同じことを会社でも言っている。絶対(笑)。


今時の若者は従順で大人しいてへぺろうさぎ。時にそれが優等生的でハナにつくことさえある昨今で、この男の場合に限っては本音大爆発!昭和の香りさえする(笑)。


ある日は一通り愚痴ってサッと帰る粋な飲み方もするし口笛、ある日はこっちが本当に面倒臭くなるまでグダグダに酔う時もあるゲロー。酒に溺れながらも溜め込んだエネルギーは翌日に持ち越さない気風の良さは清々しささえ感じる。


とにかく、どうしようもなくバカで、どうしようもなく正直で、おまけにどうしても憎めない。


「あいつ、大物になりますね」


これが当店での大人の衆目一致した「この男」の評価。


この男の10年後なりを見届けられないのが本当に寂しい笑い泣き


「バカでしょ〜、この男!」なんてもう一度言いたいな大泣きうさぎ

このふたり。

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結婚します。


何年このふたりのくっついたり、別れたりを見守ってきたことか。


いやいや、見守ってません(笑)。大きなお世話だと知りつつ、介在していました、ワタシ…。


初めて会った時から絶対、このふたりは結婚すると思ってましたカナヘイびっくり


ふたりが別々の時もお互いの頭の片隅にはいつも「相方」がいたような気が

気のせいかなサッ


3月の10周年のときに彼女から「2006年シャトーマルゴー」のセカンドをいただきましたカナヘイハート


閉店日の今日はクリスマスで、彼女の誕生日


3人でこのシャトーマルゴーを飲んでそれぞれの門出としました。


この店を始めて人の幸せを心から祝福し、自分の幸せのように思うことができるようになりました。

斜に構えて人をみることもなくなりました。


それはある意味このふたりのおかげです。


おめでとう🎉(涙&泣)


さすがに寂しい想いが湧き出してきました。

いろんな人に支えられ、いろんな人がいろんな思いをもって当店をご利用された。

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最後にお客さまに泣かれるなんて、こんな悲しくて幸せな場面がこの先あるかどうか

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当ブログはタイトルを「インテルメッツォ日記~その後」として1231日までアップしていくつもりです。