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ブログ読者の諸君、メリー・クリスマス。今年立ち上げたサンタクロースの派遣業が繁忙期に入るため更新が暫く止まります。年末には再開したい予定ですが後処理に追われる可能性も。という事で以下年末の数試合についての雑感。

 

 

コラレスvs内山

ボクサーのコメントは話半分に聞くべきだがこの選手の場合、話が具体的なので真に受けて書く。報道されているvsコラレスⅡ仕様のモディファイには疑問がある。元々背は丸めるタイプなので矢尾板氏の指摘も的外れに思うがコラレスほどの運動能力を誇る相手に対しアクションの回転数を落とすような傾向にある戦術を採るのは決して得策ではない。初戦は酷い負け方だったがそもそもこういうタイプは崩れた時の見栄えが悪く、6:4もしくは7:3の戦力があり、そのうちの3を踏んだだけでやはり内山有利の試合だったと思う。

同様のスタイルでジャブを増やせば7割あったはずの勝機が5分5分もしくはそれ以下に落ちてしまうのでは?という印象。

内山変身!コラレス対策…リベンジ仕様の新スタイルに切り替え/BOX

内山、パンチに体重乗らずパワー低下

 

 

井上vs河野

ロマゴン、エストラダを除けば井上に対し最も勝機のある選手。予想で言えばやはり7:3で井上有利に思う。ただし運動能力には雲泥の差はあるが河野のカウンタースキル、押し引きの妙にはハード面での差を覆すだけの十分な力はある。井上の河野に対するリスペクトの度合い、河野の序盤の立ち回りによって試合の結果、展開が大きく変わるはず。私が河野陣営の人間で彼に助言するならどうするか?

 

1.ジャブを散らしながらリングを回る

あまり言及される事はないが河野のジャブは隙なく左右回りもバランスが良くボクシングもセンスがある。河野の必殺パターンだが井上の河野に対する警戒が強い場合、誘いに乗らず同様のペースを作りボクスを選択される可能性もある。消耗戦になった場合、ポイントは流れ、ダメージを抱えた状態で中盤以降に分の悪いアタックを強いられる恐れがある。

 

2.立ち上がりから打ち合いの局面を作る

互いにフレッシュな状態でパンチがあり、慣れ、反応の面でもリスクは大きい。ラウンドが長引けばタイミングや角度の問題で殺せるようなパンチがKOを呼ぶ恐れがある。ただし井上の勝ち気で好戦的な性格ならば勝負に乗ってくれそう。

 

リスクの程度の差こそあれ1、2共に本腰入ったパンチの交換が必要になる。井上の超抜スピードとフィジカルを考えれば1、2度のダウンを奪ったとしてもポイントで勝つのは難しそう。勝負のラウンドは早い方がいいし、例えリスクがあっても万全の状態でパンチを打つのが理想的。そしてメンタルの面での充実も考え2のプランが勝機を高めるように思う。

 

 

井岡vsスタンプ

スタンプのアグレッシブネス、序盤の爆発力はクレイジー。乱打戦に持ち込み、その中でカウンターを取るセンスも光る。序盤さえ凌げば一翔勝利は堅いだろうが、フライ転級以降のストッピングパワーの低下、要領頼みのリターンスタイルが気になるところ。

ジャブをしっかり打ち、ブロック&パリーで初打を守り、2発目、3発目はピボット、ボディワークの連動でしっかりケア。リスク度外視で売ってくる4、5打目は身体に触れされない、打たせないような意識が必要。仮にここで横着な守り方を見せたり、相手のペースに付き合ってしまうと危険。なんて言いつつ序盤のボディウンターであっさり決まったりもしそうだ。

 

 

この3試合はどの試合も組み合わせ良く、結果としては大差が付きそうだがどちらに転ぶか予想が難しくレベルも高い。個人的には一翔の状態、ボクシングの方向性が確認できそうという意味でも最後の試合が気になっている。