観戦記 エリクソン・ルビンvsファン・ウバルド・カブレラ | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:ルビン2回KO勝利

 

 

 

「十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人。かつて人類の新たな可能性を示した神童エリクソン・ルビンも21歳。しかしそのボクシングは豪と柔が同居、抜群に強く速く、そして巧い。

 

バランスの良い斜構え。骨盤の前傾、背骨の軸は常にキープされ、下半身がとにかく柔軟でフットワークと重心移動が滑らかだ。自由自在に内外にポジションを取り、重心の優位を守りつつ体勢ごとに適宜パワーハンドからビシバシとパンチを打ち込んでいる。


こんなパンチは相手からすれば案外読み易いが自身は打てず、一方的に打たれるので次第に意識と体力が削られ、致命打まで繋がれてしまう。また、体勢を崩しつつ前進、しっかりと見ながら打つので自ずと相手のカウンターに対するカウンターも取り易くなる。

 

余裕を持ってポジションを取り、守り、詰め、確信を持ってパンチを振る。パワフルなサウスポースタイル、同時期に現れたプロスペクトと共通点あり、エロール・スペンスjrと比較される事も多いがどちらかと言うとSFe級、L級時代、身体性能と相対距離に圧倒的余裕があった頃の、本来のエイドリアン・ブローナーに近いように思う。

 

*特殊な器具を使用し頭頂部の変形を矯正するルビン