仮面舞動館に迷い込んだ。皆が仮面を着け、はでな衣装やユニークな衣装の者を皆でけなし、似通った衣装と仮面の者達で踊り合う不思議な舞動館である。
皆が目立つことを嫌い、それでいて楽しいふりをしている。(とは言っても、無表情な仮面からは、何を思っているのかもわからないが)
出口が見当たらない。おそらく当分の間はこの奇妙な舞動館から出ることは出来ないであろう。

我々は本当に生きることをしているのだろうか?
というのも、本当はただ死ぬのが恐いだけではないだろうか?
そうであるならば、それは間違いである。何故ならば死ぬこと以上に、生きることを理由にして死なないことは恐ろしいことであり、それを自覚していない我々は目的を失うことでさえ自覚していないからである。
そういう意味で、我々はすでに死んでいるのではないだろうか?
現代の社会では人はただの歯車である。
そこには一見生き甲斐のようなものがあるようだが、結局は互いの歯車をうまく噛み合わせ、そして全体は何か目的があるわけでもなく動いているのである。人間味などない。いやすでにそれは人間ではなく、つまりは理性を持った生き物ではなく、文字通りの歯車なのである。