本日は観光公害について論じる問題を扱います。
新型コロナの影響により、世界中の観光地から人が去ってもはや絵空事のようですが、昨年まで、京都や大阪、東京を筆頭に、日本中で多くの国内外の観光客が見られ、インバウンドなどと大きくもてはやされる一方、いわゆる観光公害も問題となっていました。
観光公害に関する各種記事によれば、具体的な国籍を挙げてマナーが悪く、それこそ観光公害と指弾するものが少なからずありますが、よくよく読めば、それは国内観光客がメインだったころもみられたものですので、アンフェアに感じます。とまれ、観光客の多さにより、観光公害が深刻化したのは事実で、地域住民が公共交通機関を利用できなかったり、深刻なごみの問題が発生したりと、そうしたものを総称して観光公害と呼ぶそうです。
受験生の皆様には、観光地になるということは、収入のチャンスである一方、こうした問題も引き起こすことを知っておいていただきたいと思います。
問題
現在日本には、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」もふくめて21件の世界遺産があります。世界遺産への登録は、その文化財や自然の価値が見直されるなど良い点がたくさんあります。しかしその一方で、新たな問題点や課題が生じることもあります。どのような問題点や課題が生じる可能性があるか考えて、説明しなさい。
解説
世界遺産になると、どのようなことが起こるのかといえば、代表的なものは、観光地になるということです。観光地になると、多くの観光客が訪れ、その世界遺産に関する知見が広まるとともに、多くの観光収入をもたらしますが、一方で、マナーの悪い観光客によるごみのポイ捨てや落書きなどによる文化財の毀損、交通渋滞などの負の問題もあります。こうした負の問題を近年では総称して観光公害と呼びます。この問題については、観光公害につき、書くことになります。
解答例
観光客が増えることにより交通渋滞が発生することや、マナーの悪い観光客による地域住民の生活環境の悪化や世界遺産の損壊などがおこる問題点がある。