前回の記事では私が実際に体験した「火」 の様子について見ていただきました。
クビの付け根の辺りから灼熱が生じて、それがだんだん頭のてっぺんの方へ上昇し、最終的にその後自分が何をどうしたのか覚えていないという状況だったわけです。
で、韓国語でこの「火」、ハングルで書くと「화(ファ)」となりますが、この「화(ファ)」の意味はあくまで”火のような怒り”に限定されていて、火事、火災などの実際に燃え上がるファイアの意味では「불(プル)」という単語を使います。
「불(プル)」は固有語なので漢字はありません。
なので、
「火事になった」を韓国語にすると「불이 났다」となり、
「頭に来た」など怒りが出たことを韓国語にすると「화가 났다」ということになります。
なぜ実際に燃え上がっている”ファイア”のことを「불」と呼んで、漢字の「火(화)」を使わないかというと、日本語でも「ひ」と呼んで、「火」という漢字の音読みである「か」と言わないのと同じようなものだとイメージしていただければいいと思いますが、
あと、「火」という漢字には、韓国が古来からこの世界のしくみを説明する際に使っていた、「陰陽五行説」にある「万物は”木、火、土、金、水”という5元素から成り立っている」という考え方が影響しているからだと思っています。
どういうことかというと、「불」というのは固有語で目に見えるような具体的なものを指し示すときに使うのに対して、「火」という漢字は具体的なものというより、抽象的な思想や概念を表しているからです。
ちょっと話が大きくなってしまいましたが、五行説では「火」というのは目に見える炎よりもっと意味が大きくて、熱を出すようなもの一般を指しているようなのです。
実際にwikipediaを見ると、「火」という概念が象徴するものとして
夏という季節であったり、南という方角であったり、紅という色であったりしています。
(wikipediaには「火」を象徴する感情は”楽”となっていますが・・・)
なぜこんなことを書いているのかというと、なぜ韓国語では怒りを「火」という漢字で表現しているのだろう?と疑問に思って、ネットで検索していたらどうやら「漢医学(韓医学?)」を解説する説明にこの「火」出てきたからです。
「ファビョン」などをはじめとする「怒り」を表すときによく使われる「火」。
なぜ「火」が怒りを表すのかイメージできるように、次回の記事では「漢医学(韓医学)」で「火」をどのように捉えているのか紹介します。
韓国で働く日本人現役サムスンマンにもお使い頂いています。
