伸二です。

こえつながりスペシャル「アカペラ落語の会~
INSPi×立川談慶~」無事終演となりました。



僕は本でも音楽でも空白の豊かな作品が好きで、昔からそういうものに好んで触れて来ました。



空白があるということは、そこに読み手、聞き手の介入の余地があるということです。



そこに自分の思い出や経験を重ね、自由な絵をそれぞれの心の中に描けるということです。



 



僕が小学生の頃、父親はなぜか落語のテープを僕と二人きりの車の車内や寝室でよくかけていました。



話下手な父が僕がその空間に飽きないように配慮したのか、もしくは単に自分が聴きたくてかけていたのかは分かりませんが、とにかく幾つかの演目を繰り返し繰り返し聞く機会がありました。



それが幼心にとても興味深く、楽しかったのです(きっと我が子のその気持ちを感じ取って父は繰り返しテープをかけたのでしょう)



 



それから月日は流れ、そんな落語に嵐のように再会する機会が訪れました。



立川談慶師匠との出会いです。



驚きでした。



大きくなってから改めて触れた落語の世界、それは僕の大好きな空白の宝庫でした。



その身体ひとつで幾人もの登場人物を演じ、その人々が暮らす街の姿を描き、夕暮れを、常闇を描く芸術



この方と一緒になにかを作りたい、そう強く思いました。



 



そしてその思いは、昨日のアカペラ落語の会で想像以上の形として一度目の着地をみました。



僕の父がそうしてくれたように、談慶師匠がご自身の息子さんに車で聴かせた童謡「あめふりくまのこ」を題材にした落語と歌。



談慶師匠の息子さんの一言に喚起され、師匠とINSPiのリーダー杉田で共作した「れいぞうこのうた」



そして古典落語の名作「紺屋高尾」とそれをもとに師匠が作詞をされ、杉田が曲をつけた落語曲「約束~紺屋高尾~」



どれも世界初の組み合わせとは思えないシンクロ率の高さで我ながら素晴らしい出来になったと思っています。






来て頂いた方、是非感想をお聞かせ下さい。 



来られなかった方、次回必ず開催します。その時は是非この新しい世界に触れて下さい。



各メディアの方々、そして先輩方からも終演後の楽屋で最高の褒め言葉を頂きました。



なかでもうつみ宮土理さんの「賞が取れるわよ。なにか賞を取りに行きなさい」という言葉が印象的でした。



尊敬する立川談慶師匠と共に、そして応援して頂いている皆さんと共に、この新しい世界を大切に、そして意慾的に切り開いて行こうと思います。