長野県の栄村立栄中学校で歌って来ました。

2011年3月12日、東日本大震災の翌日、この栄村を長野県北部地震が襲いました。

最大震度6強、その後も震度6弱の余震が2回、その後も大きな震度の余震が続き、村は甚大な被害を受けました。


どんなに恐ろしかっただろう、どんなに辛かっただろう。

離れた場所にいた僕たちにとってそれは、報道をたよりに想像することしか出来ませんでした。


それから約1年。


今日この栄中学校を訪れ、生徒の皆さんや先生方にお会いした時僕は、

「なんて素敵な笑顔を持った人達なんだろう」

と思いました。

もしかしたら栄村はあの災害から立ち直ったのかも知れない。それを乗り越えたのかも知れない。

そんな風にふと思うほどに、そこにいた人々は素敵な笑顔とエネルギーに溢れていました。


ステージも盛りに盛り上がり、予定を大幅に延長して終了。

そして最後に学校長から挨拶を頂いた時でした。


学校長の挨拶が、涙で詰まりました。

僕たちが歌った場所は震災当時、避難所にもなっていた場所でした。


日本人は悲しい時、辛いときにこそ笑う人たちなんだと、誰かが言っていました。

なにか自分に悲しいことが起こったとき、それを聞いた相手が同じ痛みを感じてしまわないように

「こんなことがあってね」

と笑いながら話す人たちなんだそうです。


あの時被災地にいた人も、いなかった人も、被害を受けた人も、直接は受けなかった人も、あの出来事が辛くなかった人なんていない。悲しくなかった人なんていない。

けれど涙を堪えながら、学校長はこんな言葉をくれました。

「歌の力は凄い、声の力は凄い、今日そう改めて思いました」


僕たちはこれからも歌を歌います。

誰かのこころに届くように祈りながら、歌を。