暑さの続く中今池ノイまで「ちゃわんやのはなし」という映画を見に行ってきました。45名くらいの小さな映画館で予約席を後ろの方に申し込んでいましたが1番前でもよかったくらいでした。

420年前秀吉の二度目の朝鮮出兵の帰りに、いくつかの有力大名が朝鮮人陶工を連れ帰ったことに端を発し、明らかに朝鮮にルーツをもちながら今もなお伝統を受け継いでる現在の薩摩焼、萩焼、上野焼などの窯元の家々の紹介がありました。島津家が彼らを厚く庇護をしてロシアのニコライ2世に送った薩摩焼の作品は今もエルミタージュ美術館に所蔵されてるとか。今回特に中心に紹介されていたのは薩摩焼窯元沈壽官家の歴史でした。先代同様十五代沈壽官も中学入学初日からひどいいじめに遭われた悩んでいた時、司馬遼太郎の手紙のなかの言葉 「自らを一個の『人類』に仕立て上げる」に励まされたとか。その言葉は国や民族を超えて私達も目指さなければならない大事な考え方、生き方だと感じました。

今やすっかり商業化されてしまって忘れさられたオリンピックの精神もそこにあるかなと。

あの時に運命的に日本に来られた朝鮮陶工達こそまさに現在の薩摩焼きや萩焼などの祖であり、日本に新しい焼き物の技術をもたらしてくれたことにあらためて感謝するばかりです。

2500度もの高熱の登り窯から出されたお茶碗はどれも素晴らしい色合いでした。近くで展覧会などあればぜひ行きたいのですが講演会など行きたいイベントは東京、大阪が多く名古屋はなぜかパスされることがよくあるのです。残念です。

監督さんのお話だと1年間くらい撮り続けて映画に編集されたのは全体の2パーセントとか。その取り組みの凄さに驚きましたし、2時間近いドキュメンタリーにまとめるのも大変だったことだと思いました。

萩焼や上野焼など他の窯のお話などももっと聞いてみたかったです。

最後の親子のシーンなど微笑ましくて本当代々繋がっていく家族の歴史にいいね👍連発、帰りは友人と登り窯の温度の話しなどしながら余韻にひたれました。